ドッペルゲンガー (Doppelgänger) の定義はいくつかありますが、広く一般的には「自分の複製 (そっくりさん)」という位置づけで知られているように思います。
「自分の複製」とはあくまで自分目線から自分のドッペルゲンガーを目撃した場合のことで、第三者のドッペルゲンガーを目にすることもあります。
「声かけなかったけど、昨日〇〇で見かけたよ!」
なんてこの前どころか今までに行ったこともない場所で自分を見た、なんて言われること、たまにありますよね?
いわゆる「他人の空似」と呼ばれるもので、おそらくはたまたま自分とそっくりな人物を見たに過ぎないでしょう。
顔の細部まで似ていなくとも背格好が近くファッション (髪型や服装) もそれほど特徴的でなければ他人の空似は頻繁に起こる現象といえます。
ですが他人の空似かドッペルゲンガーかの判断は自分がその「そっくりな人物」と対峙する以外に術はなく、他人から聞いた「過去」の話では確かめようもありません。
一般的にドッペルゲンガーは不吉な存在で自分のドッペルゲンガーに出会うと死ぬ、とも言われており、自分のドッペルゲンガーに出会ったという話を聞くと興味深いという好奇心と気味悪いという感情が交差します。
さて今回はアパラチア (Appalachia) に伝わるドッペルゲンガーに似た民間伝承です。
ちなみにアパラチアとは北米東部のアパラチア山脈周辺地域のことです。
この地域にはある特定の人物に成りすますかのようにその人物そっくりの顔をまとった生物が森に潜んでいるという言い伝えがあります。
この民間伝承は特に「ドッペルゲンガー」という単語で知られてはいませんが、現象的にはドッペルゲンガーに似ており不吉な存在である点も似ています。
これはアパラチアに住むある女性が幼少時代の思い出を語ったものです。
「おばあちゃんは自分の所有していたトレーラーの先にある森には絶対に入っちゃいけないとわたしに言っていました。
居住区と森は大きな丘で分断されており特に気にはなりませんでしたが、その理由は教えてくれませんでした。
そんなある日のこと、丘のふもと近くにある牧草地でいとこがわたしを黙って見上げているの気付きました。
彼はもともとやんちゃな性格なのでとても不思議に思いましたが、彼はわたしに手を振ると丘を下ってあの禁断の森へと向かいついてくるよう手招きしていました。
わたしが丘を駆け下りると、彼は沈黙を破り大声で何度も何度も私の名を呼びました。
そして自分がまさに森へ入ろうかとしたとき、『バンッ!』という衝撃音が辺りに響き渡りました。
取り憑かれたようにいとこを追いかけていた自分は我に返りました。
振り向くと丘の上にはおばあちゃんの姿がありました。
それは彼女が森へ向かって銃を発砲した音だったのです。
彼女は早く戻ってきてと大声で泣きながら懇願していました。
いとこを追いかけたいという呪縛から放たれた後も、森の中から自分の名を叫ぶいとこの声は響いていました。
その声はその後5分ほど続きやがて聞こえなくなりました。
しかしそれは少なくとも、いとこでなかったのは確かでした。
いとこはその時、ここから遠く離れた場所で休暇を過ごしていたことを聞いたからです」
(参照サイト)
(関連記事)
■ 常にぼやけてる、、、よく見えない鳥 ~ ベア・フロンテッド・フッドウィンク
■ 4年半も絶食し卵を抱き続けるタコ ~ ホクヨウイボダコ
怖い話や(;O;)
返信削除