最近アパラチアの民間伝承にはまってますw
特段他の地域と比べ個性的だとは思いませんが、朴訥 (ぼくとつ) としておりいかにもおじいさんおばあさんが孫たちに話しそうな内容で味があるものも多いです。
現代に伝わるものは少しずつ形を変え、現代的なエッセンスが加わっている可能性は否定できませんが、それを含めて楽しめます。
今回紹介するのは「ノット・ディア (Not Deer)」なる生物。
これが名前?
字面を見ればわかる通り「ディア ではない」つまり「鹿ではない」という名前の生き物です。
和名で「〇〇モドキ」とか「〇〇ダマシ」と命名された悲惨な生物たちが多数存在しますがそれに近いかと思います。
このUMAの和名は「シカダマシ」なんていいかもしれません。
和名で「〇〇モドキ」や「〇〇ダマシ」と呼ばれる生物はもちろん人間を騙そうとしているわけでもなく勝手に人間が騙されて変な命名をされていますが、ノット・ディアはそうではないようです。
(史上最大のシカ、アイリッシュ・エルクことギガンテウスオオツノジカ (Megaloceros giganteus))
しかしノット・ディアはシカに「似ている」だけのシカとは異なる存在、それどころか人間にとって脅威であるというのです。
というのもノット・ディアはシカのように人間にとって安全な動物ではなく、逆に人間を狩る存在だからです。
彼らは自らの存在を悟られぬようシカの姿でシカの群れに紛れ込み油断した人間が近づくのを待ちます。
ではシカ (ディア) とノット・ディアを見分ける方法があるのか?
ノット・ディアはまず人間を恐れません。
もしかするとそれは人間の目にはフレンドリーに見えるかもしれません。
また、気付きにくいですが蹄に目を向ければ、そこにはシカにも関わらず鉤爪 (かぎづめ) であったり人間のような手 (指) であったりします。
ノット・ディアの「変装」の失敗は他にもあります。
目の位置が人間のように正面に近かったり、目の数が異なっていたりすることもある (ひとつしかなかったり3つ以上あったり) といいます。
ノット・ディアの正体は語られていません。
元来どんな姿なのか、それとも元からシカに似た姿なのか。
特徴的には自由に姿を変えられるシェイプシフターの一種といった感じです。
多くのアパラチアの民間伝承がそうであるように、もともとノット・ディアは子供たちが無闇に森に分け入らないよう創られた存在かもしれません。
但し、シカといえどヘラジカ (Alces alces) のように平均で500キロ超、最大記録では800キロを超した個体も存在します。
ちなみに史上最大のシカはアイリッシュ・エルクことギガンテウスオオツノジカ (Megaloceros giganteus) といわれておりオスの体重は平均で575キロ、牡鹿の左右の角の端から端までのスパンは4メートル近くもありました。
実際、数は少ないですがシカによる死傷事故も起きており侮るなかれ。
(参照サイト)
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不覚にもせんとくんを思い出してしまった。
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