2020年7月18日土曜日

身長4.5メートル ~ フロリダ・ジャイアント・ペンギン


■身長4.5メートル ~ フロリダ・ジャイアント・ペンギン

スコットランド生まれのアメリカ人未確認動物学者、アイヴァン・T・サンダーソン (Ivan T. Sanderson) 氏、ベルナール・ユーベルマン (Bernard Heuvelmans) 氏と並び未確認動物学の草分け的存在です。

当サイトでも頻繁に登場する、腐敗して正体不明になった肉塊「グロブスター (Globster)」や「場違いな工芸品 (out-of-place artifacts)」こと「オーパーツ (OOPArts)」、降るべきでない「空からの落下物 (falls from the skies)」を指す「ファフロツキーズ (fafrotskies)」等、これらの単語はすべてサンダーソン氏による造語です。

(かつてオーパーツだったカブレラストーン (イカストーン))
(image credit by Brattarb)

そもそも日本語の未確認動物学に該当するクリプトゾウオロジー (Cryptozoology) という単語もサンダーソン氏とベルナール・ユーベルマン (Bernard Heuvelmans) によって創られたものです。

サンダーソン氏とユーベルマン氏は共に未確認動物学者でありますが、ユーベルマン氏が動物学を基本とした純粋な未確認動物学者であるのに対し、サンダーソン氏は超常現象研究家でもあり未確認動物学はそのひとつに過ぎません。

それ故、ユーベルマン氏であれば一蹴しそうな超常的UMAに対しても非常に寛容であり、よっぽどなUMAに対してもその存在を否定することはなく擁護する姿勢を崩しません。

まさに未確認動物学者の鑑と言える存在ですが、サンダーソン氏がその存在を信じたよっぽどなUMA、フロリダ・ジャイアント・ペンギン (Florida giant penguin) を紹介します。

このフロリダ・ジャイアント・ペンギンは2つの点で異様です。

まずひとつは目撃場所。

現存知られている17種 (25亜種) のペンギンはガラパゴスペンギン (Spheniscus mendiculus) を除き、すべて南半球に生息します。

唯一の例外であるガラパゴスペンギンにしてもわずかに北半球に入るものの生息地はほぼ赤道直下です。

しかしフロリダ・ジャイアント・ペンギンはその名の通り完全に北半球のアメリカのフロリダ州で目撃されています。

そしてもうひとつ、体長 (身長) です。

ペンギンの中で最も大きいのはコウテイペンギン (Aptenodytes forsteri) で、身長は1.3メートルほどに成長します。

(左からアンスロポルニス、人間、コウテイペンギン)
(image credit by Discott)

メガペンギンと総称される絶滅種の巨大ペンギンの中にはパレユーディプテス・クレコウスキイ (Palaeeudyptes klekowskii) やアンスロポルニス・グランディス (Anthropornis grandis) のように身長が1.7メートル前後もあるものも存在します。

が、目撃情報によればフロリダ・ジャイアント・ペンギンはコウテイペンギンを遥かに遥かに凌ぐ、体高は15フィート、つまり4.5メートル以上です、、、

1948年に発見された巨大ペンギンを彷彿させる無数の足跡は、40年後の1988年、トニー・シニョリーニ (Tony Signorini) 氏 とアル・ウイリアムス (Al Williams) 氏のイタズラであったことが判明しています。

しかしこの巨大ペンギン足跡事件以降、数年に渡り巨大ペンギンを見たという目撃情報が頻発します。

さすがに身長4.5メートルのペンギン、あまりにバカげていてサンダーソン氏ですらその存在を否定するに違いありません。

が、サンダーソン氏は高らかに宣言します「フロリダで目撃されている巨大ペンギンは群れからはぐれてしまったペンギンに違いありません」と。

一体この時代の人々はなにを見たのでしょう?

目撃情報のその多く、もしかすると全部、巨大ペンギンは海を泳いでいる姿が目撃されており、これは既知動物を誤認したのではないでしょうか。

比較対象の乏しい海中であり、目撃情報の大きさはあまり当てになりませんがとにかく巨大なペンギンに見えたなにか。

それこそ実物のペンギンに見慣れていないフロリダの人々が、例えば現世最大のコウテイペンギンを目にし想像以上の巨大さに驚嘆し実際よりもかなり大きく見えた、ということも考えられなくもありません。

しかしフロリダは野生のペンギンがはぐれて到達できるような場所ではありませんし、仮に泳いでいたとしてもコウテイペンギンを4.5メートルに感じるとは思えません。

(ザトウクジラ)
(image credit by Sylke Rohrlach)

そこでフロリダの人々を惑わしたその生物として、ザトウクジラ (Megaptera novaeangliae) の子供を候補に挙げたいと思います。

白黒ツートンに大きな胸ビレ、また体の後方にある小さ背ビレは目立たず背中は概ねフラットであり、表層近くを泳ぐザトウクジラを真上から見ればペンギン風のシルエットです。

通常の状態であればザトウクジラを見て巨大なペンギンと誤認することはまずないでしょう。

しかし当時のフロリダは違います、多くの巨大ペンギンの足跡が発見された後であり、潜在的にこの辺りに巨大なペンギンが潜んでいるかも、という心理が働いていたはずです。

そういった事情からザトウクジラの子供をフロリダ・ジャイアント・ペンギンと誤認してしまったのではないでしょうか。

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