UMAは捉えどころにないものが多いですが、その未知なるところがUMAたる所以でもあるため仕方ないところではあります
そんな中でも今回紹介するミニョコンはその筆頭株です。
ミニョコンとは南米ブラジルの高地に生息するといわれるUMAです。
ミニョコンはかなり古いUMA本から必ずと言っていいほど掲載されている「由緒正しい」クラシックUMAですが、表記揺れも多く、一般的には「ミニョコン」、伝言ゲームに失敗したと思われる「ミニュコン」、現地で使われている「Minhocão」のスペルから「ミンホカオ」「ミニョーサオ」等があります。
もっとも日本で浸透している「ミニョコン」ですが、そう読める (発音できる) スペルのものは海外では存在しない (見たことがない) ことからおそらくミニョコンという名は日本でつけられたニックネームのように思われます。
(image credit by Reddit)
前述のように現地では「Minhocão」と綴られ、ポルトガル語でミミズを意味する「minhoca」から来ていると思われるためミンオカオが一番近い表記と思われます。
ここでは日本でもっとも浸透しているミニョコンで表記します。
さて日本では呼称すら捉えどころのないUMAですが、その姿もこれまた捉えどころがないのです。
ポルトガル語で「ミミズ」から由来しているのは明らかなんだからその姿は「巨大ミミズ」で決まりでしょ!?と思うかもしれません。
しかしそうはいかないのです、なぜなら誰も巨大ミミズとしてのミニョコンを目撃した人がほぼ皆無だからです (ほんのわずかながら存在します)。
ミニョコンは実際の目撃情報からではなくあくまで間接的な事実からその存在を信じられているUMAです。
その間接的事実とは幅広の溝が長く残っていた、何か巨大なものが通ったように土が盛り上がっていた、といったものです。
その規模に関してもバラバラですが、一晩のうちに幅7~10フィート (約2.1~3メートル) もある溝が長いものだと1マイル (約1.6キロメートル) に渡ってできていた、なんて感じで、夜に地響きのようなものが聞こえた、というものもあります。
(1920年に描かれたグリプトドン)
(image crediy by Wikicommons/Public Domain)
ドイツの博物学者でブラジルに移住したフリッツ・ミューラー (Fritz Müller) 博士は19世紀末「この地 (ブラジル) に長さ50ヤード (約45メートル)、体幅5ヤード (約4.5メートル) 鎧のような表皮に覆われた巨大なミミズが生息している」とドイツの科学ジャーナルに発表しあのネイチャー誌にも掲載されました。
ミューラー博士はかのチャールズ・ダーウィン (Charles Darwin) とも親交があり擬態の一種、悪臭を放ったり毒を持つ生物が似通った姿を持つというミューラー型擬態 (Müllerian mimicry) の発見者としても知られます。
しかしミューラー博士といえど、さすがにミニョコンのデカさは常軌を逸しています。
何度も登場させて恐縮ですが、ギネス記録のミミズは南アフリカ、ウィリアムズタウンの道端に転がっていたミクロカエトゥス・ラピ (Microchaetus rappi) で、伸ばしたサイズが6.7メートル、直径2センチ、重さ1.5キロもありました。
45メートルは無理にしても長さだけなら見つかってないだけで10メートルのものも存在する (した) かもしれませんが、ミミズのような環形動物は太くなることが困難なのです。
(ミナミアメリカハイギョ)
(image credit by Wikicommons/Public Domain)
いずれにしてもそんな巨体でありながら、いくら地中性とはいえ見つからないもんだと感心しますが、これはミニョコンが非常に憶病な習性に起因すると考えられています。
そういうわけでもう少し現実的 (?) なミミズ以外もミニョコンの正体として挙げられています。
ミューラー博士のいった「鎧のような表皮」から触発されたのでしょうか、未確認動物学者ベルナール・ユーヴェルマンス (Bernard Heuvelmans) 博士は突如ミニョコンの正体として、ワーム系でもなんでもない絶滅した巨大アルマジロ、グリプトドン (Glyptodon) が水棲化したものという大胆な理論を発表しました。
グリプトドンはかつて南米大陸に生息していた巨大アルマジロで最大11フィート (約3.3メートル)、体重4400ポンド (約2トン) に達しました。
他にもミニュコンの正体は魚類であるとミナミアメリカハイギョ (Lepidosiren paradoxa) なんかも候補として挙がっています。
ミナミアメリカハイギョは現生種で大きさは4フィート (約1.2メートル) 強です。
巨大ミミズにアルマジロにハイギョ、てんでばらばらですが捉えどころのないUMAならではの楽しさでもあります。
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スペルをGoogle翻訳のポルトガル語で音声再生すると、「ミニョコン」っぽいを発音しました。多分日本に情報が来る過程で海外の人との音声的なコミュニケーションが挟まってる説が濃厚ですかね
返信削除ああ、そうなんですね、言われてみると確かに「ミニョークァオゥ」みたいに発声するから、「ミニョコン」ぽくも聞こえますね~
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