2020年6月6日土曜日

激痛をもたらす伝説の巨大蚊は実在する ~ アベラズボロ・ガリニッパー


■激痛をもたらす伝説の巨大蚊は実在する ~ アベラズボロ・ガリニッパー

19世紀半ばのアメリカ。

ノースカロライナ州のアベラズボロ (Averasboro) の森には州が指揮する伐採事業のためノースカロライナ中から屈強な男たちが集められました。

そんな強面揃いの男たちの中でも、一際目立つ男がいました、チャタム郡 (Chatham) でギャングのリーダーをしていたレッド・サンダース (Red Saunders) です。

サンダースは来る日も来る日も周りの男達に自らの武勇伝を語って聞かせました。

古今東西、自慢話は聞かされている方は苦痛以外の何物でもありません。

ほとほと呆れていた男たちはサンダースに賭けの提案を申し出ます。

「この一帯には、ヒョウやワニ、クマなんかよりも恐ろしい生き物がいる。

アベラズボロ・ガリニッパー (Averasboro Gallinipper) というタカほどもある巨大な蚊だ。

そいつに刺されようものなら腕は張り裂けてしまう。

お前がそんなに強いと言うのであればガリニッパーにも耐えられるはずだがこの賭けに乗るか?」

賭けの内容はシンプルです。

上半身裸になって指定した場所で1時間うつ伏せでいられればサンダースの勝ちです。

怖いもの知らずのサンダースはもちろん快諾します。

男たちの指定した場所は蚊が多く住む湿度が高くジメジメした沼のほとりです。

男たちは遠巻きにサンダースを囲み、蚊を煙で燻しサンダースに向かうよう焚き火をともしました。

サンダースはシャツを脱ぎ捨てぬかるんだ泥の地面に腹ばいになりました。

ギャンブルスタート!

サンダースの無防備の背中を蚊がめった刺しにしますが、もちろんこの程度で音を上げる男ではありません。

時間は淡々と過ぎていきます。

そしてサンダースの勝利が目前と迫った残り15分を切ったとき、サンダースを囲んでいた男たちのひとりが大声をあげます。

「ガリニッパーだ!」

その刹那、サンダースの背中に燃えるような激痛が走ります。

サンダースは飛び起きるとそのまま沼に飛び込み、ガリニッパーがいなくなったと確信するまで沼から上がってこなかったといいます。

サンダースをしてもガリニッパーの痛みに耐えられなかったのです。

これにてサンダースは自慢話をするのをやめ、、、なかったそうです。

1週間もするとサンダースの自慢話にはガリニッパーの話も加わったといわれているからです、すなわち自分はガリニッパーにすら耐えたと。

このときサンダースがガリニッパーに刺されたと思ったのは、実は焚き火で使っていた燃えさかる薪をサンダースを囲っていたひとりがサンダースの背中めがけて投げたものだという説もあります。

ではガリニッパーはただの嘘っぱちか?というとそうではありません。

そもそも「ガリニッパー (Gallinipper)」とは蚊に限定せず「刺す昆虫」全般を指す単語でしたが、現在では蚊を、特に「gally (脅す)」に基づく単語であることから「より不快で凶暴な蚊」を指します。

(巨大蚊プソロフォラ・シリアタ)
(image credit by xpda (Wikipedia))

そして実際にガリニッパーと呼ばれている蚊は実在します、北米南東部・南米の一部に生息する蚊プソロフォラ・シリアタ (Psorophora ciliata) です。

以前に日本でも話題になった蚊で「通常の20倍の大きさの蚊」という触れ込みだったと思います。

20倍というのはどこから来た情報か分かりませんが、それでもプソロフォラはかなり大きく一般的な蚊の6倍ほどもあります。

またこの蚊は非常に攻撃的であることで知られ、動物はもちろんのこと人間に対しても執拗に攻撃を仕掛けてくることで有名です。

この凶暴性は幼虫 (ボウフラ) の頃からすでに始まっており、オタマジャクシすら捕食します。

プソロフォラは巨体である優位性を十分熟知しておりし、薄手のものであれば衣服を貫通させ血を吸い上げることも可能です。

ハマダラカネッタイシマカのように感染症を引き起こすことはありませんが、その巨大な口吻 (こうふん) ゆえ、場合によっては刺された際にはナイフで突き刺されたような激痛が走るともいわれています。

もしかするとサンダースは燃えさかる薪を背中に投げつけられたのではなく、本当にガリニッパーことプソロフォラに刺されたのかもしれません。

(参照サイト)
Picaridin.info
North Carolina Ghost

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