今から150年以上も前、19世紀半ばのアメリカ。
ノースカロライナ州のアベラズボロ (Averasboro) の森には州が指揮する伐採事業のためノースカロライナ中から屈強な男たちが集められました。
そんな強面揃いの男たちの中でも、一際目立つ男がいました、チャタム郡 (Chatham) でギャングのリーダーをしていたレッド・サンダース (Red Saunders) です。
サンダースは来る日も来る日も周りの男達に自らの武勇伝を語って聞かせました。
古今東西、自慢話を聞かされている方は苦痛以外の何物でもありません。
ほとほと呆れていた男たちはサンダースに賭けの提案を申し出ます。
「この一帯には、ヒョウやワニ、クマなんかよりも恐ろしい生き物がいる。
そいつはアベラズボロ・ガリニッパー (Averasboro Gallinipper) と呼ばれるタカほどもある巨大な蚊だ。
刺されようものならお前の腕など張り裂けてしまうだろう。
お前がそんなに強いと言うならガリニッパーの攻撃にも耐えられるはずだが、お前はこの賭けに乗るか?」
賭けの内容はシンプルです。
上半身裸になって指定した場所で1時間うつ伏せでいられたらサンダースの勝ちです。
怖いもの知らずのサンダースはもちろんこの賭けを快諾します。
男たちの指定した場所は蚊が好む湿度が高くジメジメした沼のほとりです。
男たちは遠巻きにサンダースを囲むと、焚き火を灯し煙で燻して蚊をサンダースに向かわせました。
男たちの作った円の中央にいるサンダースはシャツを脱ぎ捨てると、ぬかるんだ泥の地面に腹ばいになりました。
ギャンブルスタート!
サンダースの無防備の背中をめがけ蚊がめった刺しにしますが、もちろんこの程度で音を上げる男ではありません。
時間は淡々と過ぎていきます。
そしてサンダースの勝利が目前と迫った残り15分を切ったとき、サンダースを囲んでいた男たちのひとりが大声をあげます。
「ガリニッパーだ!」
その刹那、サンダースの背中に燃えるような激痛が走ります。
傷みに耐えかねたサンダースは飛び起きるとそのまま沼に飛び込み、ガリニッパーがいなくなったと確信するまで沼から上がってこなかったといいます。
サンダースをしてもガリニッパーの痛みに耐えられなかったのです。
これにてサンダースは自慢話をするのをやめ、、、なかったそうです。
1週間もするとサンダースの武勇伝にはガリニッパーの話も加わったといわれているからです、すなわち自分はガリニッパーにすら耐えたと。
懲りない男です。
このときサンダースがガリニッパーに刺されたと思ったのは、実は焚き火で使っていた燃えさかる薪を囲んでいたひとりがサンダースの背中めがけて投げたものだという説が濃厚です。
ではガリニッパーはただの嘘っぱちか?というとそうではありません。
確かにタカのよう大きさをした蚊が存在するわけはありません。
しかしガリニッパーは実在します。
もともと「ガリニッパー (Gallinipper)」とは蚊に限定せず「刺す昆虫」全般を指す単語です。
もともと「ガリニッパー (Gallinipper)」とは蚊に限定せず「刺す昆虫」全般を指す単語です。
しかし現在では蚊を、特に「gally (脅す)」に基づく単語であることから「より不快で凶暴な蚊」を指します。
そして前述の通り、実際にガリニッパーと呼ばれる蚊は実在します、北米南東部・南米の一部に生息するプソロフォラ・シリアタ (Psorophora ciliata) です。
以前に日本でも話題になった蚊で「通常の20倍の大きさの蚊」という触れ込みだったと思います。
20倍というのはどこから来た情報か分かりませんが、それは大げさにしてもプソロフォラはかなり大きく一般的な蚊の6倍ほどもあります。
またこの蚊は非常に攻撃的であることで知られ、動物はもちろんのこと人間に対しても執拗に攻撃を仕掛けてくることで有名です。
この凶暴性は幼虫 (ボウフラ) の頃からすでに始まっており、オタマジャクシすら捕食します。
プソロフォラは自らの巨体である優位性を十分熟知しておりし、薄手の生地であれば衣服を貫通させ血を吸い上げることも可能です。
ハマダラカやネッタイシマカのように感染症を引き起こすことはありませんが、その巨大な口吻 (こうふん) ゆえ、場合によっては刺された際にはナイフで突き刺されたような激痛が走るともいわれています。
もしかするとサンダースは燃えさかる薪を背中に投げつけられたのではなく、本当にガリニッパーことプソロフォラに刺された可能性も否定できません。
(参照サイト)
Picaridin.info
North Carolina Ghost
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■ 妖怪カイコモグラはアフリカに実在する ~ シルバーデバネズミ
(巨大蚊プソロフォラ・シリアタ)
(image credit by xpda (Wikipedia))
そして前述の通り、実際にガリニッパーと呼ばれる蚊は実在します、北米南東部・南米の一部に生息するプソロフォラ・シリアタ (Psorophora ciliata) です。
以前に日本でも話題になった蚊で「通常の20倍の大きさの蚊」という触れ込みだったと思います。
20倍というのはどこから来た情報か分かりませんが、それは大げさにしてもプソロフォラはかなり大きく一般的な蚊の6倍ほどもあります。
またこの蚊は非常に攻撃的であることで知られ、動物はもちろんのこと人間に対しても執拗に攻撃を仕掛けてくることで有名です。
この凶暴性は幼虫 (ボウフラ) の頃からすでに始まっており、オタマジャクシすら捕食します。
プソロフォラは自らの巨体である優位性を十分熟知しておりし、薄手の生地であれば衣服を貫通させ血を吸い上げることも可能です。
ハマダラカやネッタイシマカのように感染症を引き起こすことはありませんが、その巨大な口吻 (こうふん) ゆえ、場合によっては刺された際にはナイフで突き刺されたような激痛が走るともいわれています。
もしかするとサンダースは燃えさかる薪を背中に投げつけられたのではなく、本当にガリニッパーことプソロフォラに刺された可能性も否定できません。
(参照サイト)
Picaridin.info
North Carolina Ghost
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