2023年2月22日水曜日

トゲ付きのこん棒の尾をもつ猫 ~ スライヴァー・キャット


■トゲ付きのこん棒の尾をもつ猫 ~ スライヴァー・キャット (スライバー・キャット)

今日は猫の日なので猫系のUMAを紹介しましょう。

イギリス全土でみられるABC (エイリアン・ビッグ・キャット) を筆頭に大型ネコ科動物系のUMAは少なくありません。

今回のはスライヴァー・キャット (スライバー・キャット, Sliver cat)、北米のUMAです。

なんとUMAでありながら "Felis glabraspiculata (フェリス・グラブラスピクラタ)" なる学名をもちます。

属名の "Felis" は実在するネコ属のことで種小名の "glabraspiculata" もラテン語でそれっぽい雰囲気をもちますが、ネコ属 (Felis) にそんな種はもちろん存在しません、なんせUMAですからね。

確実ではありませんが種小名の "glabraspiculata"は「無毛のトゲをもった」といったような意味でしょうか。

他にもネッシーネッシテラス・ロムボプテリクス (Nessiteras rhombopteryx) やイエティディナントロポイデス・ニヴァリス  (Dinanthropoides nivalis) なーんていったUMAでありながら学名を持つものがありますが、もちろん学会で認められていません。

さてスライヴァー・キャットをみていきましょう。

ネコ属は本来あまり大きくなく、現生の大型ネコ科動物と呼ばれるのは主にヒョウ属 (Panthera)、ピューマ属 (Puma)、チーター属 (Acinonyx) ですが、スライヴァー・キャットは彼らに負けないほど大きなネコ属という特徴を持ちます。

(ジャングルキャット)
(image credit by Wikicommons)

ネコ属の最大種はジャングルキャット (Felis chaus) で、最大クラスともなると体長は75センチ、体重16キロほどになるといいます。

スライヴァー・キャットはジャングルキャットを大きく上回る136キロほど、ヒョウやピューマ (クーガー)、チーターよりも重いことになります。

樹上生といわれ、その巨体にしてハンティングはもっぱら待ち伏せ型、樹上から獲物が通りかかるのを待って襲うといいます。

と、ここまでは北米に生息するネコ科動物としては大型であるものの、至ってその特性はふつうです。

本当にこれがUMA?と思ってしまうことでしょう。

しかしスライヴァー・キャット、実はフィアサム・クリッター (Fearsome critters) に数えられるUMAです。

フィアサム・クリッターはアメリカ・カナダに伝わる民間伝承上の動物群のことでUMAの中でもかなり荒唐無稽な能力・姿を有していることが多いのも特徴のひとつです。

スライヴァー・キャットはその尾の特徴こそがフィアサム・クリッターの仲間であることを感じさせます。

尾の先端がこん棒のように膨らみ、尾の片面は棘で覆われ、反対側は無毛であるといいます。

そう、彼らの学名、フェリス・グラブラスピクラタの種小名が「無毛のトゲをもった」というのはこの尾の特徴に起因するに違いありません。

曲竜アンキロサウルス的であり、剣竜ステゴサウルス的でもあり、とてもユニークな特徴です。

樹上で待ち伏せするスライヴァー・キャットはそのこん棒のような尾で通りかかった獲物を打ちのめすと、棘に引っかけて樹上に持ち上げるといいます。

ネコ科で尾がこん棒状でトゲトゲ、実在するにはかなり敷居の高いUMAであります。

(トゲオアガマの最大種、エジプトトゲオアガマ (Uromastyx aegyptia))
(image credit by Wikicommons)

哺乳類ではめぼしいところでセンザンコウ (Pholidota)、爬虫類ならトゲオアガマ属 (Uromastyx) といったところがトゲトゲの尾を有している生物。

トゲアガマもいうほどトゲトゲでもなく、しかもネコと誤認するには両者ともかなり厳しいところです。

まあそこら辺はフィアサム・クリッターなんで許してあげてください。

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