慢性消耗病 (chronic wasting disease)、略してCWDは、俗にゾンビ・ディア・ディジーズ (zombie deer disease)、つまり「鹿ゾンビ病」と呼ばれます。
「鹿ゾンビ病」の名の通り、シカ、ヘラジカ、トナカイなどの鹿科の動物に感染する病気です。
昆虫などに多く見られる「ゾンビ化 (体ののっとり)」は寄生虫によるものがほとんどですが、CWDは寄生虫によるものではなく狂牛病などでも知られるプリオン病の一種です。
CWDに感染したシカは急激に体重が落ちガリガリに痩せ衰え、よろよろと歩くのもままならなくなります。
やがて脳や神経系に異常をきたし、群れから離れ単独行動したり、同じ場所をぐるぐる回ったり、震えたり、ぼんやり立ち尽くし人間が近づいても逃げないなど、まるで何者かに体をのっとられたかのような行動を示します。
これが「ゾンビ化」といわれる所以です。
感染したシカたちを救う手立ては無く、やがて誤嚥性肺炎 (ごえんせいはいえん) などを引き起こし100%死に至ります。
シカにとってまさに地獄のような病気ですが、このゾンビ鹿病が北米大陸で爆発的に広がりを見せています。
地域によっては25パーセントものシカが感染しているところもあるそうです。
さて、野生のシカの個体数が激減する可能性があることはもちろん心配ですが、危惧されているのはそれだけではありません、もっとも恐れられているのはCWDが人間に感染するのではないか、ということです。
2019年時点ではシカから人間に感染した症例はまだありませんが、狂牛病しかり、今後まったくありえないことではないので、感染した鹿肉は絶対に食べないようにとCDC (米国疾病管理予防センター) からお声明が出されています。
というのも既にアメリカではCWDに感染したシカを食べてしまっている人がいるからだそうです。
▼▼▼応援のクリックお願いします▼▼▼
にほんブログ村
(参照サイト)
BUSINESS INSIDER
(関連記事)
■ あまりの残虐さにゴキブリに同情する人多数続出! ~ エメラルドゴキブリバチ
■ オスのカニを全てメスに強制性転換させる寄生虫 ~ フクロムシ
0 件のコメント:
コメントを投稿