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2019年10月30日水曜日

まるで宝石 ~ ジュエル・キャタピラー


■まるで宝石 ~ ジュエル・キャタピラー

中南米にはダルセリド・モス (dalcerid moth) と総称されるダルセルダエ科 (Dalceridae) のイラガの仲間がいます。

12属80種以上が知られるダルセリド・モスの仲間ですが成体は小さく見た目も地味でそれほど目を引く存在ではありません。

しかし、子供自体 (幼虫時代) はとても顕著な特徴を持ちます。

(ジュエルキャタピラーの一種アクラガ・コア (Acraga coa))
(image credit by Wikicommons)

このガの仲間は子供時代、みな半透明のゼラチン質で覆われているのです。

種によって色やパターンも豊富、とても個性的なイモムシです。

指に巻けば婚約指輪として使えそうなほど綺麗なイモムシで (ないない)、その綺麗な姿から「ジュエル・キャタピラー (Jewel caterpillar)」、つまり「宝石イモムシ」と呼ばれます。

大きさも概ね1~2センチ程度、小さい上に綺麗であることから、昆虫嫌いの人でもそれほど嫌悪感を抱かないのでは?と思わせるイモムシです。

ただし、中にはやや毒々しい色や腐ったホットドッグみたいなジュエル・キャタピラーもおり、全部が全部、宝石のようではありません。

なお、この美しさの秘訣、体全体を包み込むゼラチン物質はぬるぬるべたべたで、まるでナメクジ (slug) のようとも形容され、ジュエル・キャタピラーならぬ、スラッグ・キャタピラー (slug caterpillars)、つまり「ナメクジイモムシ」と人間の嫌いな生物を二つを合体させた悲惨な裏ネームを持つことも付け加えておきましょう。

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