2019年10月15日火曜日

三葉虫の生まれ変わり ~ サンヨウベニボタル


■三葉虫の生まれ変わり ~ サンヨウベニボタル

鎧のようなプレートを何枚も背負った不思議な生物。

ホタルの幼虫を見たことがある人なら、巨大化したホタルの幼虫をイメージする人もいるかもしれませんが、まさしくこの昆虫はホタルに近縁で、発光しないベニボタルの仲間で、サンヨウベニボタルといいます。(※サンヨウベニボタルは発光するものもいるようです)


とはいえ、ホタルにしては大きい、どころではなく、すべての昆虫の中でも大柄なほうで最大種で60~80ミリほどあります。

この巨大な幼虫からいったいどれだけ大きな成虫になるのかというと、これが成虫の姿です。

完全変態するはずのベニボタルですが、サンヨウベニボタルのメスは幼体がそのまま巨大化した姿をしており、いわゆるネオテニー (幼形成熟) と呼ばれるものです。

アホロートル (ウーパールーパー) なんかと同じです。

名前の「サンヨウベニボタル」は「三葉虫みたいなベニボタル」という意味で、英名の「トリロバイト・ビートル (trilobite beetle, 「三葉虫甲虫」の意)」に由来します。

ところでこれは前述の通りメスの姿です。

オスはこのメスが発見されてから100年もの間発見されませんでしたが、それはオスはごくふつうのベニボタルの体型をしており、大きさもメスの1/10程度の5~8ミリぐらいしかなかったため、サンヨウベニボタルとは別の生き物と思われていたからです。

SCIENTIFIC AMERICAN によれば、メスは繁殖の際、腹部を持ち上げ、フェロモンを放出してオスを誘惑するようです。

フェロモンの臭いに誘われてやってきた、メスとは似ても似つかないオスは交尾を始めますが、なんと持続すること5時間!

精根尽き果てたのか、交尾が終わって数時間後、オスは死んでしまったそうです。

翌日、メスは200個ほどの粘着性の卵を葉の上に産むそうです。

なお、一番上のショッキングピンクともショッキングパープルともいえるド派手なサンヨウベニボタルですが、脱皮したての僅かな間だけ見せる色の可能性が高いとのことです。


(参照サイト)
SCIENTIFIC AMERICAN

(関連記事)
 体長43センチの巨大ゴキブリ ~ アプトロブラッティナ・ジョンソニ

 謎の巨大ハイブリッド昆虫 ~ ギガティタン


 壮絶な最期を遂げる産卵マシーン ~ 女王シロアリ

 触れたら最期、拷問アリ ~ アロメルス・デケマルティクラトゥス

 世界最長の昆虫 ~ 巨大ナナフシ



 猛毒バッタ ~ キマダラドクバッタ


0 件のコメント:

コメントを投稿