カナダ本土西部、ヌナブト準州に属するダンダス島 (Dundas Island) には巨大な昆虫が生息しているという噂があります。
体長は5~6インチ (約12.5~15センチメートル) といわれ昆虫としては巨大ですが現実感のある大きさです。
但し、問題があるとすればそれはその巨体にして「ハエ」であるという点です。
(5~6インチどころか7~8インチ (約17.5~20センチ) にも達するタイタンオオウスバカミキリ (Titanus giganteus)、幼虫は12フィート (約30センチ) の可能性も)
まずはその名前。
ブラックフライなんてありがちな名前で、実際ブユのことを「ブラック・フライ (black fly)」と呼びますが、「ブラックフライ (blackfly)」ではありません。
英語で「ハエ」は「フライ (fly)」ですが、上記のブユ意外でもわりと英語で "fly" とつく昆虫は多いです。
チョウの「バタフライ (butterfly)」やトンボの「ドラゴンフライ (dragonfly)」なんかは日本でも知られていると思いますが、ウシアブ (ハエ目) の「ホースフライ (horsefly)」やカゲロウの「メイフライ (mayfly)」等、一部はハエ目 (双翅目) でなくても「フライ」と呼ばれることがあります。
そのため、一概に「ハエ」とは決めつけられませんが、一応ブラックフライは「巨大なハエ」であるといわれています。
ではどういった性質か?
名前の由来となったその体色はまさに漆黒であり、単に大きいだけではなく獰猛で腐肉どころか生きている人間を襲い肉を引きちぎって食べるといわれています。
執拗な性質で、狙われたら最後、ダンダス島にいる限り逃げ切ることはできないといわれています。
その正体は?
まずは単純に大きなハエとしてオオムシヒキモドキ (Gauromydas heros) がいます。
南米に棲息するハエの仲間で体長は2.8インチ (約7センチ)、羽を広げた大きさは4インチ (約10センチ) にも達します。
北米には生息していませんが物理的にハエがこれほどまで大きくなれます。
また、ウシアブも候補に挙げておきましょう。
人間を襲うことはめったにないと思いますが、その姿や性質からウシアブも悪くありません。
(タバヌス・ボビヌス (Tabanus bovinus))
(image credit: Wikicommons)
日本でも見られるアカウシアブ (Tabanus chrysurus) や海外種のタバヌス・ボビヌス (Tabanus bovinus) 等は体長が30ミリ以上にもなります。
10センチオーバーなんてことはあり得ませんが、体長30ミリを超すウシアブが羽根を広げれば体長以上に大きく見えますし、しかも刺しますし、しつこく執拗な習性もブラックフライを彷彿とさせます。
ブラックフライの正体は未発見の巨大なハエに加え、既知種のウシアブの誤認、もしくは新種のウシアブといったところでしょうか。
ダンダス島にいる限り逃げ切ることができない、という性質は島を乗っ取った移民たちを怖がらせるための付加された性質かもしれません。
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