■ストーンヘンジを作るクモ ~ シルクヘンジ・スパイダー
正直なところなんのかよく分からん、そう思いつつもおそらく知らない人はいないであろう謎の遺跡、ストーンヘンジ (Stonehenge)。
2019年、ストーンヘンジの謎の一つである巨石 (ブルーストーン) の採石場が特定されたというニュースが有りました。
研究チームによればストーンヘンジから陸路で290キロも離れたウェールズのプレセリ山地から運ばれてきたものということでした。
しかし最近になって別の研究チームにより、プレセリ山地よりも遥かに近場である遺跡から25キロのウィルトシャー (Wiltshire) のウエストウッズから運ばれたきたという研究結果が発表されました。
この研究結果も覆る可能性もあり確定ではありませんが、ここ数年、ストーンヘンジのニュースは頻発しておりわりと話題になっています。
(メディコムトイ 大神秘博物館のストーンヘンジのフィギュア)
そんなストーンヘンジですが、かつてメディコムトイの大神秘博物館シリーズにて、UMAや宇宙人等と共に奇跡のフィギュア化を成し遂げられた過去があります。
存在感のあるフィギュアが並ぶ中、飛び抜けて地味であり一見したところではハズレ以外のなにものでもありません。
大きさはトレーディングカード程度、フィギュアと言うかミニチュア (ジオラマ) といった感じです。
袋から出したことすらなかったのですが、撮影のため出してみました。
すると、、、
あれ?これ意外と (あくまで「意外と」) 出来がいいんじゃないか?
(ストーンヘンジの3Dモデリングとフィギュアの比較)
ストーンヘンジの3Dモデリングのアングルを合わせて比較してみると概ね石の配置は一致しています。
フィギュアの巨石部分は直径1センチぐらいしかないことを考えるとそれなりに頑張っているようです。
さていつものように前置きが長くなりました、今回はシルクヘンジ (silkhenge) です。
「シルク (絹) で出来たストーンヘンジ」という意味の造語で、発見された場所は本家ストーンヘンジのイングランドとは縁もゆかりもないペルーのジャングルです。
大きさも本家とは比べ物にならない直径1センチ未満。
中央の「塔」を取り巻くように30本ほどの支柱が並び、隣り合う支柱同士が支柱よりもかなり細いシルク数本で繋がっています。
今ではあまり見かけなくなりましたが、有刺鉄線のような作りです。
一見ただ直立しているように見える中央の塔も上から見ると放射状にいくつものシルクによって倒れないように支えられていることが分かります。
クローズアップ写真で見るとかなり繊細なつくりであることが分かります。
これは2013年、タンボパタ国立保護区 (Tambopata National Reserve) を訪れていたジョージア工科大学のトロイ・アレクサンダー (Troy Alexander) 氏によって発見されたもので、「シルクヘンジ」の命名者でもあります。
発見当時まったくの謎の構造物でしたが、同年、科学者のフィル・トーレス (Phil Torres) 氏率いる調査隊が現地を赴きました。
隊は同様のシルクヘンジを数個発見、さらにシルクヘンジからクモの赤ちゃんが孵化したことを確認したことから、この謎の建造物はクモによって建立されたことが判明しました。
クモを同定しようと生まれたばかりの子グモを持ち帰りましたがすぐに死んでしまい、またDNA鑑定も失敗、結局いまだに親グモがどのような姿をしているのか分かっていません。
トーレス氏はその後も現地に赴きシルクヘンジの調査を引き続き行っています。
シルクヘンジ中央の塔は卵が入っているいわゆる卵嚢 (らんのう) で、ひとつではなく数個の卵が入っていることが確認されています。
それでは卵嚢を取り巻く有刺鉄線はなんのためにあるのでしょうか?
はっきりとした理由はわかっていませんが一つの説として、これは卵を狙うスズメバチ (等の天敵) の着陸を阻害する役割があるのではないか?そうトーレス氏は考えています。
見た目だけでなく実際に有刺鉄線のような役割を担っている可能性もあるのです。
発見から7年が経とうとしていますが、いまだに親の姿がわからない謎のクモ、それがシルクヘンジ・スパイダーです。
(参照サイト)
National Geographic
Japan TopNews
(関連記事)
■ コウモリの生き血を吸う吸血バエ ~ クモバエ
0 件のコメント:
コメントを投稿