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2025年5月19日月曜日

生き残ったイノストランケビアか? ~ カルーの野獣


■生き残ったイノストランケビアか? ~ カルーの野獣

今回はカルーの野獣 (Beast of Karoo)。

南アフリカ共和国のロックストンに近い半砂漠地帯、カルー (Karoo) で目撃された大型爬虫類系のUMAです。

目撃されたのは1946年、複数のドライバーにより体長は12フィート (約3.6メートル) ほどもある太い尾を持つ巨大なトカゲに似た生物が目撃されました。

大きいことは大きいですがコモドオオトカゲ (Varanus komodoensis) の大型個体程度であり、爬虫類系とはいえども恐竜に似ているとも証言されておらず、あくまで「UMA目撃情報としては」という断りつきではありますが、比較的、信憑性の高い目撃証言いえます。

但し、ソースが極めて限定的で、イラストレーター、漫画家、写真家の肩書を持つフランス人のフィリップ・クードレー (Philippe Coudray) 氏の著作以外で現時点で確認できていません。

えっ?未確認動物学者の著作者じゃないの?と驚くかもしれません。

確かに。

しかし実はクードレー氏、未確認動物にとても造詣が深く、特にビッグフットの大ファンということもあり、ついにはUMA本まで出版してしまったというわけです。

ちなみにクードレー氏はカルーの野獣の正体を、未発見のオオトカゲではないか、と無難な推測をしています。

アフリカで爬虫類系の巨大種といえばナイルワニ (Crocodylus niloticus) かナイルオオトカゲ (Varanus niloticus) の二択といった感じになりますが、大きさ的に前者は十分ですが後者は最大個体でも2.4メートルとちょっと物足りない感じです。

(ナイルオオトカゲ)
(image credit by Wikicommons)

まあ目撃者が実際にメジャーを持ってサイズを測ったわけではないですから、この程度の誤差は許容範囲といえるでしょう。

で、半砂漠地帯にナイルワニが出没するのか?というと、やはりちょっと疑問です。

んじゃナイルオオトカゲか?というと、ナイルワニほどではないにしろナイルオオトカゲもまた水辺を好むことからこちらもややり考えにくいところです。

まあ水辺から誤って遠ざかり、彷徨 (さまよ) い歩いていたかもしれませんから、水辺でなくても目撃される可能性はなくはないでしょうけどね。

大きさ的に本当に3.6メートルだとしたらナイルオオトカゲはちょっとあり得ないので、その正体が本当にトカゲであるならクードレー氏のいうように新種のオオトカゲに違いありません。

(イノストランケビア・アフリカーナ)
(image credit: Wikicommons)

さてさて、せっかくカルーが出てきたので、UMAの正体の定番、古生物も検討してみましょう。

アフリカにはリフトバレー・モンスターのように、ディメトロドン (Dimetrodon) やエダフォサウルス (Edaphosaurus) を彷彿とさせる単弓類 (たんきゅうるい) 系UMAもいますので、カルーの野獣もその目撃された地域からイノストランケビア (Inostrancevia) を正体とするのはいかがでしょう?

ロシアでだけ発見されていたイノストランケビアでしたが、つい最近の2023年にカルー盆地で新種のイノストランケビア・アフリカーナ (Inostrancevia africana) が発見されました。

イノストランケビアは最大種で3メートル以上となり、カルーの野獣と同サイズ、当時の頂点捕食者として君臨していたと考えられており、リアルに生き残っていると考えるのは無茶かもしれませんが、この魅力的な生物を候補に挙げるぐらい許してくださいな。









2 件のコメント:

  1. 地域といい大きさといい、カツロー砂漠のアンキロサウルスみたいですね

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    1. こめんとありがとうございます。
      これね、カツロー砂漠のアンキロサウルスの元ネタなんじゃないかな、と思うんですが、現時点でどうもはっきりしないのでこちらだけ記事にしています。
      別物とするには似すぎてるんですよね~、まぁカツロー砂漠のアンキロサウルスも気が向いたら書いてみます。

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