2020年5月28日木曜日

常にぼやけてる、、、よく見えない鳥 ~ ベア・フロンテッド・フッドウィンク

(ベア・フロンテッド・フッドウィンクの剥製)

■常にぼやけてる、、、よく見えない鳥 ~ ベア・フロンテッド・フッドウィンク

1970年代半ば、それまで謎とされてきた一羽の鳥の剥製がエジンバラにあるスコットランド国立博物館に展示されました。

その鳥の名はベア・フロンテッド・フッドウィンク (Bare-fronted Hoodwink)、学名をディシムラトリクス・スプリア (Dissimulatrix spuria) といいます。

体に対し非常に大きな頭部をもつのが特徴です。

それこそネッシービッグフットといったUMAよりも不思議な存在の鳥でした。

フッドウィンクは人間のすぐそばにいるにも関わらずどんな鳥かわからなかったからです。

とらえどころのない鳥で「容易に」目撃されるもののなぜか部分的にしか確認されず、また鳴き声も非常にあいまいでどうしても全容をつかむことができないのです。

また幾度も捕獲されかけたにも関わらず、その都度うまく逃げおおせてしまうのです。

非常に高速に飛び回ることができるのもその原因のひとつかもしれません。

まるでUMAのスカイフィッシュのような存在です。

どんな鳥かよくわからない、それこそがフッドウィンクの特徴であり、バードウォッチャーのリストにも正体不明の鳥、フッドウィンクは加えられることになりました。

しかしバードウォッチャーはどうやってフッドウィンクを見たと判別するのか?

姿も鳴き声もはっきりしていないのにどうやって?

意外なことに同定することは非常に簡単です。

どんなに観察しようとしてもはっきりと確認できなかったらそれがフッドウィンクなのです。

あなたが「いまなにかの鳥を見たのは確実、でもよく分からなかった」というのであればそれはあなたがフッドウィンクを見た確実な証拠であり、あなたのバードウォッチャーとしての経験にフッドウィンクを付け加えて構いません。

フッドウィンクは「高速に飛び回る外見がはっきりしない鳥」と言い換えることができます。

しかしその正体不明の鳥がついに捕獲されるときがやってきました。

この鳥を捕獲したのはイギリス人言語教授にしてアマチュアの鳥類学者マシュー・フォンテイン・モーリー・ミケルジョン (Matthew Fontaine Maury Meiklejohn) 氏です。

フッドウィンクはもともと外観が「ぼやけていて」分からなかったのだから、その剥製が本当にフッドウィンクかどうかなんて分からないんじゃないの?

そんな疑問もあるでしょう、しかしこの鳥の剥製はフッドウィンクで間違いありません。

なぜならフッドウィンクはミケルジョン教授が「創作」した鳥だったからです。

頭部はハシボソガラス、体はチドリ、脚はなんらかの水鳥を使い、これらをつなぎ合わせて一羽の鳥を完成させています。

この鳥が展示されたのは1975年、4月1日のことでした。

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