■ロシア極寒の湖で怪物騒ぎ ~ ハイール湖の怪物 (ハイール・ビースト)
今回はハイール湖の怪物 (Lake Khaiyr monster)。
日本において、ロシアのレイク・モンスターとしては最上位の知名度を誇ります。
ハイール湖 (Lake Khaiyr) はシベリア東部ヤクーツク地方に位置する火山湖です。
集落から遠く離れており調査も進んでいないため、この湖についてはあまり詳しいことは分かっていませんでした。
しかし大型のレイク・モンスターが目撃されたことで、この湖は一気に注目を浴びるようになります。
それは全くの偶然でした。
1964年、モスクワ大学のグループが眠れる資源、鉱床調査のためハイール湖近辺に訪れていた時のことです。
この調査隊のサブリーダーにして生物学者のグラドキフ (Gladkikh) 博士が水を汲みにハイール湖へ向かうと想像だにしない巨大生物と遭遇したのです。
その怪物は岸に生えた草を食 (は) んでいました。
真っ黒な巨体から長い首が出ており、首の付け根から背骨に沿って幅広のまるで帆船の帆のような背ビレが尾まで続いていました。
グラドキフ博士は急いでキャンプに戻りこの怪物の話をするも、誰も信じる者はいなかったといいます。
それではとメンバーを連れて湖に引き返すも怪物の姿は既にありませんでした。
しかし数日に渡る調査であったため、結局、リーダーを含むグループの複数人によりその怪物を目撃し、グラドキフ博士の話が真実であったことが証明されたのです。
この怪物はハイール湖の怪物やハイール・ビースト (Khaiyr beast) と呼ばれます。
調査隊の面々は恐竜と時代を共にした海生爬虫類プレシオサウルス (Plesiosaurus) に似ていたと証言しています。
と、目撃談はこんな感じです。
これはネッシーブーム以降の1960年代の話であり、レイク・モンスター = 首長竜 (プレシオサウルス等)、もしくはレイク・モンスター = 竜脚類 (ブラキオサウルス (Brachiosaurus) 等) と考えられていた時代の名残が感じられます。
特に竜脚類説については、その巨体を陸上では支えきれず半水棲に違いない、と思われていたためレイク・モンスターの正体として竜脚類が頻繁に登場しました。
そのため水棲の大型爬虫類と竜脚類がミックスされたハイブリッドUMAのような姿を創造されています。
しかしこの湖は残念ながら巨大な生物が生息するにはあまり適していないように思われていました。
というのも、この湖の調査が進められないのはその過酷な気候もさることながらあまり「魅力」がなかったからのようです。
ハイール湖は火山湖かつほとんど魚も生息していないため水産資源は期待できず調査するに値しない湖と思われていたからです。
但し、好都合なのはグラドキフ博士らが目撃した限り、ハイール湖の怪物は草食性であることが示唆されたことです。
ではこの過酷な気候の中、巨大生物はふだんは湖の中に身を潜め、食事の時だけ湖から上がってきていたのでしょうか。
信じがたい話ですが目撃したのが信頼に値するモスクワ大学の研究グループであったことは心強い、、、
っていうか、そもそもグラドキフ博士自体、本当に実在する人物なのでしょうか?
ロシアのUMAはUMA本だけの全くの捏造だったりすることも多々あるので心配になります。
これには良い話と悪い話が一つずつあります。
良い話からしましょう。
ハイール湖の怪物を目撃したグラドキフさんは完全に実在する人物で、21世紀に入ってからインタビューも受けています。
これは朗報ですね。
では、、、まあそうですね、悪い話もしておきましょう。
グラドキフさんは確かに実在していますが、彼は生物学者でもなければモスクワ大学の調査チームのメンバーでもありませんでした。
当時、彼はただの移民労働者でした。
そして、、、この話には続きがあります、、、
グラドキフさんはハイール湖の怪物など見ておらず完全なでっち上げだったことをインタビューで告白したのです、、、
「ちょっとばかり家族や友人を楽しませたかっただけなんだよ」
いやいやいや、そんなご謙遜を。
世界中が楽しみましたよ。
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