■イングランドの公園に現れた謎の生物「歩くモミの実」とは?
1954年4月16日、イングランド、ケント州の漁港ラムズゲートで奇妙な生物が目撃されました。
ダンプトン公園を「モミの実 (fir-cone)」のような生物が歩いていたというのです。
これをウォーキング・ファーコーン (Walking fir-cone)、つまり「歩くモミの実」といいます。
目撃したのは警官のコンスタブル・S. ビショップ (Constable S. Bishop) 氏。
公園を通り抜けようとしていたときのこと、奇妙な物音に気付き目をやるとまるでモミの実のようなものが動いていました。
(ベイマツ (ダグラスモミ, Pseudotsuga menziesii) の実)
ビショップ氏は決してモミの実そのものが歩いていたと主張していたわけではありません。
あくまで「モミの実に似た生物」を見たと証言しているだけです。
「その生物の全身には鳥の羽のような柄がありました。
吻部 (鼻先) はとても長く尾は短かったです。
四肢には大きなかぎ爪があり、体長はシェパードほどもありました」
(センザンコウの防御態勢はまさにマツカサ)
モミの実 (もしくは松ぼっくり) みたいな生物といえばやはりセンザンコウ、モミの実は面長であり松ぼっくりよりも更にセンザンコウらしいともいえます。
ビショップ氏の目撃証言もただ一点を除けばセンザンコウでほぼ問題ありません。
モミの実を思わせる鱗、長い鼻面、鋭い鉤爪、シェパードほどとは言いませんが体高は低くともそれなりに体長はあります。
が、気になるのは尾が短いという証言。
この一点に関してはどうしてもセンザンコウの特徴として相容れないものです。
センザンコウは尾がとても長いからです。
未確認動物学者カール・シューカー氏のブログを読んでいたところ、やはりシューカー氏もセンザンコウで間違いないと思っていたようです。
しかし、友人のジョン・ミッチェル (John Mitchell) 氏からその正体としてセンザンコウとは異なる動物を示唆されたというのです。
(どちらが頭か分かりません、いや分かるだろ、マツカサトカゲ)
マツカサトカゲは日本を代表するUMA、ツチノコの正体のひとつ、アオジタトカゲ属 (Tiliqua) の一種で松かさを思わせる大きな鱗が特徴です。
ビショップ氏の証言する「短い尾」というのもマツカサトカゲなら好都合です。
マツカサトカゲは尾がずんぐりしており、頭部も尾も同じようなシルエットをしています。
(四肢が草木で隠れたらまさにツチノコ キタアオジタトカゲ or ヒガシアオジタトカゲ)
(image credit by Wikicommons)
そのためどちらが頭か、どちらが尻尾か見紛うほどで、ツーヘッドトカゲ (「ふたつの頭を持つトカゲ」two-headed skink) とかボブテイルトカゲ (「短い尾のトカゲ」bobtail lizard) とも呼ばれます。
また和名と同じくマツカサトカゲ (pine-cone skink) とも呼ばれます。
センザンコウではなく、正体はマツカサトカゲだ!手のひらを返してそうそう叫びたくなります。
しかし、シルエット的にはマツカサトカゲを推したいところですが如何せん、体長は35センチほど、「シェパード程の大きさ」にはほど遠いのが玉に瑕です。
(参照サイト)
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