2020年4月20日月曜日

マッド・サイエンティストの最高傑作 ~ ナパ・レボブス

(image credit by Theresa Comstock)

■マッド・サイエンティストの最高傑作 ~ ナパ・レボブス

アメリカ、サンフランシスコ州のナパ・バレー (Napa Valley)、この地域はワインの原料となる高品質なブドウの栽培に適した気候であることからフランスに並ぶワインの一大産地として名を馳せます。

そんなナパで場違いに目撃されるUMAがナパ・レボブス (Napa Rebobs)。

レボブスはナパ西部にあるくねくねした山道、パトリック・ロード (Partrick Road) が目撃の中心地とされています。

レボブスの姿には諸説ありますが、フライング・モンキー (Flying monkey) と称されるように、半サル・半コウモリのハイブリッド・クリーチャー的姿が基本です。

他に半サル・半ロボットといったものや半サル・半人間といった空を飛べない組み合わせもありますが、いずれにしてもこの半○・半○といったハイブリッド的特徴は変わりません。

レボブスがこの半○・半○といった姿に描かれるのには理由があります。

基本としてレボブスはマッド・サイエンティストの実験の産物というストーリーを起源に持つためで、サルと他の動物を融合した実験で生まれたと考えられているからです。

UMAの話には多い政府が秘密裏に行っている (いた) 軍事的生物実験の産物といった陰謀説も存在します。

こういった政府陰謀説をもつUMAは昔のUMAに多いバック・グラウンドですが、戦中戦後の混乱期であればともかく、21世紀ともなるとほとんどこういった説は廃れ気味です。

しかし一周回ってというかナパ・レボブスに至っては逆に人気が再燃しています。

ナパ高校のシンボルマークの変更に、レボブスが候補に挙がったほどです。

さてこのレボブス、なにか実在の生物の目撃情報が基になっているのでしょうか?

レボブスの逸話は上記のマッド・サイエンティストや政府の陰謀論等、あまり現実味の無いものが多く、個人的には完全なフィクション (都市伝説) の可能性が高いような気がします。

敢えて実在の生物が基になっていると考えるのであれば以下のものを候補に挙げたいと思います。

(クロアチアン・モンスターことヒヨケザル)
(iamge credit by Robert Markovčić)

空飛ぶサルといって候補に上がるのはまずヒヨケザル

クロアチアン・モンスター等、他の記事でもときどき触れていますが、ヒヨケザルは英語でフライング・レムール (Flying lemur 「空飛ぶキツネザル」) と呼ばれるように、キツネザルに皮膜を張ったような姿をしています。

ヒヨケザルはフィリピンヒヨケザル (Cynocephalus volans) とマレーヒヨケザル (Galeopterus variegatus) の2種のみ知られており、和名でも分かる通り東南アジアにしか生息していません。

(ブーゲンビルオオコウモリ)
(image credit by DeadMonkey8984)

そしてもうひとつの候補がやはりオオコウモリ

ソロモン諸島の熱帯雨林にのみ生息するプテラロペクス (Pteralopex) 属のオオコウモリはモンキー・フェイスト・バット (monkey-faced bat「サルの顔をしたコウモリ」) と総称され、ほとんどの種が耳が小さくサルのよううな頭部をしているのが特徴です。

プテラロペクス属のコウモリにはニュー・ジョージア島 (New Georgia) に生息するニュー・ジョージアン・モンキー・フェイスト・バット (New Georgian monkey-faced bat, Pteralopex taki) 、プテラロペクス属最大のグレイター・モンキー・フェイスト・バット (Greater monkey-faced bat, Pteralopex flanneryi)、ブーゲンビル島自治区に生息するブーゲンビル・モンキー・フェイスト・バット (Bougainville monkey-faced bat, Pteralopex anceps) 等の5種が存在します

その姿は十分候補となりますが、ヒヨケザルもモンキー・フェイスト・バットもアメリカには生息していない生物です。

(image credit by Napa Valley Regsiter)

ですから可能性としてはせいぜい動物園やペットとして飼われていたものが脱走して目撃された、もしくはこれらからインスパイアされて創造された、といったことぐらいでしょうか。

ところでナパ高校の新たなシンボルマークの候補に上がったレボブスですが、アメコミ風の本格的なデザイン、とてもいい仕上がりです。

残念ながら投票の末やぶれ採用には至りませんでした。

(参照サイト)
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