スペインには伝説の悪名高きニワトリがいます、ギャロデラムエルテ (Gallo de la Muerte) です。
スペインの山に生息するタカの一種は、100年に1度だけハリエニシダの茂みに真っ赤な卵を産むといい、そこから白と黒ツートンの鳥が生まれます。
この鳥はきっかり50年生き、死ぬと体はどろどろに溶け、その死骸から1匹の緑色のワームが出てきます。
このワームはやがて白黒ツートンのニワトリ、ギャロデラムエルテとなります。
ギャロデラムエルテは、青と赤身がかった斑点のある白いトサカ以外、全身真っ黒のニワトリ (のような生物) です。
悲鳴とも取れるギャロデラムエルテの鳴き声を聞いたものは翌日死ぬといわれ、「死の雄鶏」ともいれます。
さて、ギャロデラムエルテはUMAというか、架空の生物ですが、似たようなニワトリは実在します、アヤム・セマニ (Ayam cemani) です。
(image by INDOZONE)
ギャロデラムエルテと異なり、トサカまでも真っ黒なアヤム・セマニ、実は肉や内臓、骨まですべて真っ黒です。
アヤム・セマニはインドネシアのジャワ島やスマトラ島にルーツがあると考えられおり、スペインとは関係ありませんが、ヨーロッパにもスウェディッシュ・ブラック・チキン (swedish black chicken) という全身真っ黒のニワトリがいます。
ただし、スウェディッシュ・ブラック・チキンはヨーロッパの純血種ではなく、18世紀頃アヤム・セマニが海外に持ち出されたものの子孫と考えられています。
ギャロデラムエルテは「死」の象徴ですが、アヤム・セマニは真逆で「幸運」をもたらす鳥と珍重されており、また、その肉には病気を治す力があると信じられています。
ただし、幸運に授かろうとその肉を食べたくても、それは難しいと言わざるを得ません。
純血のアヤム・セマニは世界でわずか3500羽、希少性に神秘性が加わり、1羽2500ドル (約27万円) 以上もするからです。
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