■21世紀もっとも有名なUMA ~ モントーク・モンスター
ニューヨーク、ロングアイランドのモントークの砂浜に打ち上げられた謎の生物の死骸、通称モントーク・モンスター (Montauk monster)。
モントーク・モンスター以降、海外では謎の漂着死骸を「○○版モントーク・モンスター (○○は地名)」といわれるほど一般名詞化したUMA界のスターです。
モントーク・モンスターは2008年7月12日にジェナ・ヒューイット (Jenna Hewitt) ら、3人の女性により発見され撮影されました。
当時、正体を巡り大いに話題になったUMAです。
UMAの正体を巡る定番のひとつ、国家の陰謀説まで出たほどです。
というのも、モントーク沖合いにはプラムアイランドという小島があり、この島には「プラムアイランド動物疫病センター (Plum Island Animal Disease Center)」があるからです。
この島では国家主導による遺伝子操作を含む動物実験が繰り返され、それによって生み出されたモンスター (ミュータント) が逃げ出したものだ、というのです。
もちろん同センターではそんな事実はあるわけもなく、この説は一蹴されます。
モントーク・モンスターが奇妙に見えるのは、やはりその頭部の特徴のせいです。
その全体的なプロポーションから哺乳類であることは間違いないものの、クチバシを思わせる突起があることから謎を深めました。
当時は「イヌとウミガメのハイブリッド生物」「甲羅を脱いだウミガメ」等、その頭部の特徴からウミガメに関連する意見も多く見られました。
しかし哺乳類と爬虫類のハイブリッドはありえませんし、ウミガメの甲羅は脊椎などと癒着しているので甲羅だけ外すということはできません。
細長い尾があること、短い首等、その全体的なプロポーションから大型のげっ歯類を推す声も多く見られました。
確かにネズミっぽくも見えますが、高解像度の画像で口元をよく見てみると歯の並びが齧歯類とは全く異なることがわかります。
げっ歯類だと上下の門歯 (前歯) と奥歯の臼歯の間に大きく隙間 (歯のない部分) があります。
モントーク・モンスターは少なくとも下あごに犬歯らしきものが確認でき、前歯から奥歯まで隙間なくぎっしり歯が生えていることから、げっ歯類でないことも分かります。
そして一番の問題となっていた「クチバシ」も、実は頭骨の一部が露出しているせいでそのように見えている可能性が高まります。
そして当初公開されていなかった別アングルの画像も公開され始めると、やはりクチバシのように見えていたのは露出した頭骨であり、体の左半分はまばらながら毛皮も残されており、決して無毛の生物ではないことも分かります。
こういったことから導き出されたモントーク・モンスターの正体は「アライグマ」でした。
イヌ説もありますが、おそらくアライグマで間違いないでしょう。
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