■背中からカエルが生えるカエル ~ クリプトバトラクス・ボウレンゲリ
ツノアマガエル科に英語で通称バックパックガエル (backpack frog) と総称されるクリプトバトラクス属 (Cryptobatrachus) のカエルたちがいます。
クリプトバトラクス属はすべてがコロンビアとベネズエラに生息し、現在まで知られている6種のうち5種はコロンビアに生息します。
この属の情報があまりに少なすぎて情報が集められなかったので、今回はその中から以前Daily Mail紙で紹介されていたクリプトバトラクス・ボウレンゲリ (Cryptobatrachus boulengeri) を取り上げます。
このカエルの学名の種小名はイギリスの動物学者ジョージ・アルバート・ブーレンジャー (George Albert Boulenger) に献名したもので、通称ブーレンジャーズ・バックパック・フロッグ (Boulenger's backpack frog) と呼ばれます。
和名が分からないので今回はこの英名に習いブーレンジャーズバックパックガエル (or ブーレンジャーバックパックガエル) と呼ぶことにします (長っ)。
さてこのカエル、コロンビア北部の山間部、シエラ・ネバダ・デ・サンタ・マルタにのみ生息する「激レア」カエルだといいます。
大きさは4~5センチぐらいでしょうか、地味な体色で本来なら人目を引くはずもないカエルです。
このカエルの特徴はなんといっても背中で子供を保育する点にあります。
背中で子育てといえばピパピパ (Pipa pipa, コモリガエル) が有名ですが見た目で決定的に違う点があります。
ピパピパの子ガエルは巣立つ際、つまり母親の背中の組織を突き破って登場するときにはじめてその姿を目にすることができます。
いっぽう、ブーレンジャーズバックパックガエルの場合は巣立つ前、つまり保育中いつでも子ガエルの姿をはっきり確認することができます。
子ガエルが巣立った後のお母さんピパピパの穴だらけの背中もそうとう気持ち悪いですが、気持ち悪さという観点ならブーレンジャーズバックパックガエルも負けていません、いやそれ以上かもしれません。
その姿はカエルの背中からボコボコと子ガエルが生えてきているかのようで、人によっては超絶グロテスクに映るでしょう。
上記の写真のカエルの背中には少なくとも23匹の子ガエルが乗っかっているそうです。
オタマジャクシのステージはどうやって過ごしているのか?疑問に思うかもしれません。
ブーレンジャーズバックパックガエルにはオタマジャクシのステージはなく、卵から直接、子ガエルが誕生するのでまったく問題ないようです。
(参照サイト)
Daily Mail
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