2024年4月17日水曜日

ブリティッシュ・コロンビア・ジャイアント・レイヴン


■ブリティッシュ・コロンビア・ジャイアント・レイヴン

今回はブリティッシュ・コロンビア・ジャイアント・レイヴン (British Columbia's Giant Raven)。

長いのでジャイアント・レイヴンと呼ぶことにします。

レイヴン (raven) とはオオハシガラス (Corvus crassirostris) と並び世界最大級のカラスの仲間、ワタリガラス (Corvus corax) をを指します。

日本でそこら辺でみられるカラスはハシブトガラス (Corvus macrorhynchos) とハシボソガラス (Corvus corone) ですが、一般的にこちらはクロウ (crow) と呼び分けられます。

(※英名はそれぞれワタリガラスがコモン・レイヴン (common raven)、オオハシガラスがシック・ビルド・レイヴン (Thick-billed raven)、ハシブトガラスがラージ・ビルド・クロウ (Large-billed crow)、ハシボソガラスがキャリオン・クロウ (Carrion crow) といった感じ)

ですがレイヴンという単語は厳密な定義付けがなされておらず、実際にはとても曖昧でこれらハシブトガラス、ハシボソガラスもひっくるめてレイヴンと呼んだりし、要するに大型のカラスはレイヴンと一括りに呼ばれる場合もあります。

といっても元来レイヴンは神聖視され、クロウは邪悪なものとされその存在は全く真逆であり、あくまで見た目の大きさで適当に呼び分けた場合に限るようです。

基本的にレイヴンはワタリガラスの仲間だけを指していると考えて差支えないです。

ちなみに平均体長の大きい順に並べると、オオハシガラス (65センチ)、ワタリガラス (60センチ)、ハシブトガラス (55センチ)、ハシボソガラス (50センチ) といった感じです。

さて大型のカラスをレイヴンと呼ぶのに、ジャイアント・レイヴンですからさらに大きいカラスということになります。

目撃情報によればジャイアント・レイヴンはイヌワシ (Aquila chrysaetos) よりも大きかったといいます。

最大体長は71センチで翼開長は153センチもあるレイヴンですが、イヌワシの体長は平均でもレイヴンの最大個体以上あり、実際はもっと大きく、最大体長は1メートル超、翼開長は2.3メートルを超します。

このイヌワシほどもあるジャイアント・レイヴンは漆黒が特徴であるレイヴンとは異なり尾羽は赤かったといいます。

また飛ぶのは苦手なのか、ほとんど飛ばなかったそうです。

(アカオクロオウム)
(image credit by Wikicommons)

さてではジャイアント・レイヴンの正体は?

漆黒の羽毛に尾羽だけが赤というとオーストラリアに棲息するアカオクロオウム (Calyptorhynchus banksii) のメスなんか配色は完璧です。

体長は60センチを超え、まあまあそれなりに大柄です。

とはいってもイヌワシほどの大きさにはなりませんし、カラスと見間違えるかどうかは少し微妙なところ、そもそもカナダには棲息していないという欠点もあります。

もうひとつの候補がアカオノスリ (Buteo jamaicensis)。

英名レッド・テイルド・ホーク (Red-tailed Hawk) で分かる通りタカの仲間で、尾羽が赤みを帯びています。

生息域は完全に当てはまりますが、体長は65センチ程度とワタリガラスと大差なく、羽毛の色もアカオクロオウムほど黒と赤のコントラストが鮮やかではありません。

既知生物の誤認であれば動物園等から逃げたアカオクロオウムの方がやや軍配は上がるかな?と言った感じではありますがいずれも決め手に欠けます。

というわけでジャイアント・レイヴンの正体には上記に併せて未発見のレイヴンも挙げておきましょう。

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