ライノセラス・ドルフィン (Rhinoceros dolphin)、つまり「サイのイルカ」は通常の背ビレの他に頭部付近にもうひとつの背ビレをもつイルカのUMAです。
頭部付近の背ビレがまるでサイの角を思わせることからこのように呼ばれます。
ライノセラス・ドルフィンの目撃は非常に古く、19世紀前半です。
目撃したのはフランス海軍軍医 (外科医) にして動物学者のジャン・ルネ・コンスタン・クア (Jean René Constant Quoy) と同じくフランス海軍軍医にして博物学者のジョセフ・ポール・ガイマール (Joseph Paul Gaimard) のふたり、サンドウィッチ諸島沖とニューサウスウェールズ沖で目撃されました。
頭部付近の背ビレ意外の特徴としては、黒い体色に大きな白い斑点があることぐらいしか分かっていません。
学名もドルフィヌス・リノセロス (Delphinus rhinoceros)、セトディプテロス・リノセロス (Cetodipteros rhinoceros) 等の学名も提案されていますが、この二人以外の目撃がなくもちろん認められていません。
ちなみに前者の属名 (Delphinus) は既存のマイルカ属で後者はこのイルカのために作られた属名です。
観察されたのがただの一頭だけであれば、遠目での観察から群れで泳いでいるイルカが重なって見えたため二頭のイルカを一頭と勘違いし2つの背ビレを持つイルカに見えた可能性、背ビレが2つあるミュータント (突然変異) の可能性、またはイルカの頭部の隆起 (メロン) の奇形等、が考えられます。
しかし、二人はライノセラス・ドルフィンはただの一頭ではなく、2つのヒレを持つイルカの群れを見たと証言しています。
そのためただの一頭だけに起こるミュータントではないようです。
ただし、既知のイルカの群れの中で起きたミュータントが同族間の交配で広がり、その群れだけがライノセラス・ドルフィンと化した、というマイナーな説もあります。
いずれにしても目撃から200年、ライノセラス・ドルフィンの目撃は完全に途絶えており、真実は藪の中です。
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