(星形の斑紋を持つというアルーラ・ホエール)
(image credit by "Field Guide of Whales and Dolphins")
■アルーラ・ホエール (アルーラホエール / アルラ・ホエール / アルラホエール)
今回はアルーラ・ホエール (Alula whale)。
アラビア半島とソマリア半島に挟まれたアデン湾 (Gulf of Aden) に生息するといわれるクジラ (もしくはイルカ) のUMAです。
アデン湾に面したソマリアの港湾都市、アルーラ (Alula / Caluula) のグアルダフィ岬 (Cape Guardafui) 付近で目撃されるクジラであるためこのように呼ばれます。
アルーラ・ホエールはアルーラ・キラー (Alula killer) とも呼ばれます。
(シャチ)
(original image credit by Wikicommons)
これはシャチの英名がキラー・ホエール (Killer whale) であることから、姿の似たオキゴンドウをフォールス・キラー・ホエール (False killer whale)、カズハゴンドウをリトル・キラー・ホエール (little killer whale)、ユメゴンドウをピグミー・キラー・ホエール (Pygmy killer whale) 等々、シャチと体型の似るクジラの一部を「〇〇キラー・ホエール」(「〇〇キラー」とホエールを略して呼ぶ場合も多いです) と呼ぶためです。
この謎のクジラが登場するのはヴィレム・F.J. モルツァー・ブラインズ (Willem FJ Morzer Bruyns) 氏の1971年の著書「フィールド・ガイド・オブ・ホエール・アンド・ドルフィン (Field Guide of Whales and Dolphins)」です。
もちろんUMA本ではなく、その名の通りクジラとイルカのフィールド・ガイドで約100種類 (厳密には96種類) のクジラ類がイラスト付きで紹介しています。
著書でブラインズ氏はアルーラ・ホエールをマイルカ科 (Delphininae) に分類していますが、「属」を不明 (Unknown) としています。
体長は20~24フィート (約6~7.2メートル)、体重4000ポンド (約1800キロ) と見積もっています。
ブラインズ氏はアルーラ・ホエールを実際に何度も目撃・観察しており、その詳細な情報から、少なくとも執筆していた時点でこの生物の実在を確信していたようです。
以下、実際に目撃したブラインズ氏の言葉を引用しましょう。
(コビレゴンドウ (Globicephala macrorhynchus))
背ビレは水面から大きく飛び出し非常に目立つものであった。
ゴンドウクジラ属 (Globicephala) ほどでないにしろ、彼らのように額部分が大きく丸く突き出ており、吻 (鼻先) も短かかった。
背ビレは少なくとも2フィート (約60センチメートル) 程の高さがあった。
四頭の群れで船の方へ向かって泳いでくるのを目撃した際はシャチと認識していた。
だが観察した日の天候は穏やかで海も澄んでおり、船から50ヤード (約45メートル) 以内を通過した際にシャチでないことが明確に判断できた。
かれらはわたしたちの船に見向きもせず、そのままコースを変えることなく、かといって潜ったりもせずそのまま遠ざかってた」
通常のシャチとアルーラ・ホエールの大きな違いは体色で、シャチが黒と白のツートンであるに対しアルーラ・ホエールはセピア色をしています。
また、1個体だけなのか、それともアルーラ・ホエールという種での特徴なのか白い星型の模様 (斑紋) が確認されています。
自然に考えれば、完全な星型とは考えにくく、境界線が不明瞭な斑紋かもしれませんし、狩猟等による傷かもしれません、もしかするとザトウクジラのようにフジツボがついている跡かもしれません。
初めて目撃した時は4匹の群れでしたが、6匹での群れが一番多く、最大8匹だったといいます。
シャチのように群れで狩りをし、他の種の小型のクジラ (イルカを含む) を共同して狩る姿が目撃されています。
犠牲となったものにはハクジラの最大種であるマッコウクジラ (Physeter macrocephalus) も含まれているとのことです。
前述のように「アルーラ・キラー」という呼び名はシャチに似る体型のクジラの呼称であり、シャチ亜科 (シャチ、オキゴンドウ) であるかもしれませんしゴンドウクジラ亜科 (カズハゴンドウ、ユメゴンドウ) であるかもしれません。
アルーラ・ホエールはまったくUMAらしからぬUMAであり、新種として実在してもなんら不思議では生物です。
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