■ウェールズで見つかった巨大コクーン ~ 龍涎香か?
StackExchange (QAサイト) に投稿されていたカイコの繭を思わせる謎の巨大コクーン状物質。
イギリスのサウス・ウェールズの砂浜に打ち上げられたもので、長さは25センチとのこと、直径も10センチぐらいありそうです。
「かなり多孔質で水を含んでおり、龍涎香 (りゅうぜんこう) であることを期待してたんですが、たぶん違いますよね」
(image credit by StackExchange)
龍涎香は竜の涎 (よだれ) と書くようにかつて「竜の涎が凝固した物質」と考えられていましたが、もちろんそんなわけはなく、実際はマッコウクジラのの排泄物 (胆石) の一種です。
イカやタコのクチバシ状の口、いわゆるカラストンビのような固く消化されにくい物質のまわりに消化物質が取り巻いて形成されるものと考えられています。
その独特な香りから古来より香水や香料などに使われています。
西洋ではアンバーグリス (abmergris) やグレーアンバー (grey amber) と呼ばれ、いずれも「灰色の琥珀」を意味します。
商業捕鯨が禁止された現在、龍涎香を手に入れるには偶然に頼るしかありません。
水より比重が軽く海面上をぷかぷか浮遊し、ときに砂浜に打ち上げられますが、砂浜に辿りつくまで数年を要する場合もあり、辿りついたとしてもそれが龍涎香と分かる人の目に触れなければ採取されることはないため、極めてレアなアイテムです。。
龍涎香はマッコウクジラしか作ることが出来ず、しかもわずか1%のマッコウクジラからしか取れないといいます。
そのとてつもない希少性から「浮かぶ金 (きん)」と呼ばれるほどです。
ちなみにアメリカやオーストラリアではクジラ関連ということで龍涎香の輸入や所持なども違法のようです。
さて一説には龍涎香の取引価格は1グラム2000円などと言われていますが、実際はどのぐらいなんでしょう?
通常は数十グラムから重くて数キロ程度といわれる龍涎香ですが、2016年にオマーンの漁師たちが見つけた龍涎香は驚愕の80キロ!
実際に取引された価格ではありませんが、その価値は300万米ドルと見積もられました。
1ドル110円とすると約3.3億円、1グラム当たり4125円!
ちなみに、サウジアラビアのトレーダーからキロ当たり13500オマーン・リアル、80キロなので108万オマーン・リアル (約3.1億円) での買取価格を提示されたとのことです。
さてさて、話を戻してウェールズのビーチで発見されたコクーン状物質。
投稿者さんもあまり期待しては居ないようですが、万が一ということもあります。
重量の記載はありませんが、仮に500グラムだとして、上記の1グラム当たり4125円で計算すると約206万円、300グラムでも約124万円と嬉しい価格です。
1グラム増えるごとに+4125円されると思うとわくわくが止まりません。
で、その鑑定結果はというと、、、これはおそらく海綿 (スポンジ) の残骸であり、クラニエラ・クラニウム (Craniella cranium) をその候補に挙げられています。
残念。
(参照サイト)
StackExchenge
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