2020年6月11日木曜日

怪物なんかじゃない! ~ テコルタの怪物 (テコルトラの怪物)


■怪物なんかじゃない ~ テコルタの怪物 (テコルトラの怪物)

大抵のUMA本に載っているテコルタ (Tecoluta) のビーチに流れ着いたといわれる謎の漂着死骸、通称テコルタの怪物

で、そもそもテコルタはいかなる都市なのか調べてみると、確かにメキシコにはテコルタという町は存在しますが湾岸都市ではありません。

???

これ、テコルタではなくテコルトラ (Tecolutla) のようです。

なので「テコルタの怪物 (Tecoluta monster)」ではなく本来であれば「テコルトラの怪物 (Tecolutla monster)」が正しいかと思われます。

とはいえ日本ではテコルタの怪物で通っているので、ここでもテコルタで通すことにします。

さてテコルタの怪物、1969年3月にメキシコのテコルタ (テコルトラ) のビーチに打ち上げられた漂着死骸です。

全長22メートル、巨大なクチバシ (3メートル、重さ1トン) 、巨大な角を持ち、鎧のような固い皮膚をしていたといわれています。

写真にもバッチリ撮られていますが、その特徴的なクチバシや角 (もしくは牙) は写っていません。

体は比較的細長いということで一種のシーサーペントとカテゴライズされているUMAです。

身体的な特徴だけを聞けばとても既知動物とは思えず、モンスター的サイズをした未確認生物といった感じです。

この怪物の調査に、多くの科学者が訪れたといわれています。

その結果、イッカク (Monodon monoceros) であるとかイワシクジラ (Balaenoptera borealis) であるとか、もしくは突然変異のクジラであるとかいわれていましたが、結局、結論は出なかったと、(日本のUMA本では) そういうことになっています。

しかしテコルタの怪物の正体はおそらくイワシクジラであるといいます。

実際に目撃した人々の証言からすると本当にイワシクジラ?といった印象を受けます。

イワシクジラは最大17メートルを超すヒゲクジラで、22メートルといわれるテコルタの怪物よりも一回り小柄ですが、テコルタの怪物の寸法や重さはかなりいい加減なものなのでそれほど気にしなくていいでしょう。

特定困難だった理由は、腐敗の進行がかなり進んでいたためと推測されます。

実際、テコルタの怪物の腐臭は凄まじかったともいわれています。

イワシクジラとテコルタの怪物を比較してみましょう。

イワシクジラ (というかヒゲクジラ全般) の頭骨、特に上顎骨 (じょうがくこつ) を見れば分かりますが、まさにクチバシのように尖っています。

おそらく腐敗して肉がはだけていたため上顎骨が露出し「クチバシ」と誤認識されてしまったのではないでしょうか。

また、角 (だの牙だの) といわれている部分の存在です。

(アタカ・カーカス)

これは1950年にエジプト、アタカ (Ataka) のビーチに打ち上げられた「アタカ・カーカス (アタカの死骸, Ataka carcass)」にも見られる特徴と同じだったのではないかと推測します。

アタカ・カーカスが当時、謎めいた動物の死骸と認識させたもっとも大きな原因は、顎の両脇から伸びる巨大な牙 (tusk) です。

クジラを彷彿させる死骸でありながらこの牙は何かと。

その正体がクジラだとしても新種か突然変異に間違いない、そう思われていました (現在でもそのような認識の立場の人もいます)。

この「牙」はおそらく頭骨の下顎部分が先端で分離したものでしょう。

(シロナガスクジラの骨格)
(original image credit by James St. John (Wikimedia))


テコルタの怪物の角や牙といわれる部分もおそらくこれと同様、分離した下顎骨 (かがくこつ) の誤認識ではないかと推測します。

まとめるとテコルタの怪物の正体は20メートル近くあるヒゲクジラ (おそらくイワシクジラ) の一種であり、むき出しになった上顎をクチバシと、左右に分離してしまった下顎を角もしくは牙と認識してしまったのではないか?ということです。

テコルタの怪物は当時大変話題になり、一時はカリフォルニアのとある生物学研究所が買い上げを検討したほどだといいます。

そこまで話題となったこの謎の生物の骨はどうなってしまったのでしょうか?

UMA本等ではテコルタの怪物は十分な調査をされることなく投棄されたことになっているものも少なくありませんが、実際にはメキシコの海洋博物館に頭骨及び椎骨・肋骨が保存されています。

(海洋博物館に保存されているテコルタの怪物)
(image credit by AlejandroLinaresGarcia)

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