恐竜博2019に行ってきました。
今回の売りはデイノケイルス (Deinocheirus) ですが、恐竜ファンにとどまらずUMAファンの方たちにも人気のダイノサウロイドの展示もありました。
「もし恐竜が絶滅せずに、現在まで人間のような進化を辿ったとしたら、いったいどのような生物になったのか?」
カナダの地質学者にして古生物学者のデール・ラッセル博士 (Dale A. Russell) はこの問題について真剣に考え、獣脚類のトロオドン (Troodon) を使って科学的にシミュレートしました。
ラッセル博士が数ある恐竜の中からトロオドンを選択した理由に、トロオドンが体に対し脳容積の比率 (脳化指数、 EQ) が高かったこと、つまり「相対的に脳が大きい=知能が高い (であろう)」ことを挙げています。
相対的に脳が大きいトロオドンは、賢く、複雑なライフスタイルを営んでいたと推測されるため、恐竜人のシミュレートに適していると考えたのです。
一方、相対的に脳が小さい恐竜、たとえばアンキロサウルスのような曲竜類 (鎧竜) は、トロオドンなどと比較した場合、動きも鈍く複雑な行動も少ないため、恐竜人のシミュレートには向かないと考えました。
(2019恐竜博にて)
そして1982年、完成したたのが恐竜人ことダイノサウロイド (またはディノサウロイド, Dinosauroid) です。
頭部や指の数など細かいところを除けば、人間と似た体つきをした二足歩行のヒューマノイドです。
そして、ラッセル博士はこの等身大フィギュアを持って学会にのりこみました。
容易に想像出来るとおり、ダイノサウロイドの登場時、会場から失笑が漏れ、その後の古生物学者たちからの反応も決して芳しいものではありませんでした。
しかし、その一方、一般の人々からは概ね好評だったようです、ラッセル博士は語っています。
発表から30年以上経った2019年、ダイノサウロイドの展示に、日本人の観客たちも興味深そうに眺め、そしてとても好意的に受け取られていたのは印象的でした。
ちなみに、現在もっともポピュラーな恐竜絶滅の要因「小惑星の地球衝突説」をはじめて提唱したのは、このデール・ラッセル博士です。
(恐竜博2019にて。人ごみが凄すぎて、人が写りこんでいない写真皆無なのでこれでもマシなほうです。ちなみに「撮影禁止」のマークがありますが、これはダイノサウロイドの上にあるCG動画のことです。念のため)
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