■絶滅巨大ノミ ~ サウロフティルス・ロンギペス
今の日本でそれほどお目にかかる機会はないノミですが、犬やネコなどを飼っている人には厄介な存在です。
大きさは1~3ミリ程度、小さくて見えないうえに動きがすばしこく、さらに跳ねて逃げることができるため素手で捕まえるのは至難の業です。
やっとこ取り押さえても、外骨格もアホみたいに固く、ショウジョウバエを潰す程度の力で押し潰そうものならびくともしません。
さて、この厄介なノミ、もちろん人間が現れるはるか昔から存在します。
現在発見されているノミの中で最大のものは恐竜たちの時代に生息していました。
その名もサウロフティルス・ロンギペス (Saurophthirus longipes)。
ノミでありながら1インチ (約2.5センチ) もあり、おそらく翼竜に寄生していたと考えられています。
現代のノミのように毛の中に紛れるにはあまりに大きすぎるような気がしますが、この時代の動物たちも相対的に大きかったので問題なかったのでしょう。
なお、サウロフティルス・ロンギペスは体の特徴から水生生活を営んでいた可能性も高いといわれます。
吸血すると、翼竜を離れ水中に隠れ、産卵時期になると水草を登り、魚食性の翼竜が水面すれすれに飛ぶのを待ちます。
うまく乗り移ったら、翼竜の上で産卵し、孵った子供たちは翼竜の血を吸い、、、といったサイクルでしょうか。
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そういえば、「UMAファン」でのサウロフティルスの化石画像は、どうやらTyrannopsyllaという別種の化石であるようです。
返信削除2.5cmという証拠の論文も見つけられず・・・
大きさ的にはPseudopulexの方が大型だったかもしれません。