今回はカーメル・エリア・クリーチャー (Carmel Area Creature)。
フレズノ・ナイト・クローラーと同列で紹介されていることの多いUMAで、フレズノ・ナイト・クローラーの記事で紹介しようかと思ったのですが、シルエットが似ているだけで別物なのでやめました。
ちなみに単にカーメル・クリーチャーと呼ぶ場合もあります。
目撃されたのは2014年12月12日、元海兵隊員の60歳の男性が妻とアメリカ、オハイオ州のカーメル付近を車で走っているときのことでした。
彼らが乗った車の前を、突如、極端に細長いシルエットの生物が横切ったのです。
生物はそのまま森の中に消えていったといいます。
男性は家に帰るとすぐに目撃した奇妙な生物のスケッチを描きました。
あまりに一瞬のことで、しかも夜間であったため細部はわからなかったようですが、非常に細身で身長は7フィート (約2.1メートル) ほどもある生物だったといいます。
体色はグレー、足は細いものの太ももは筋肉質、顕著な特徴としては腕に該当する部分が見当たらず、二人はおそらく腕のない生物ではないかと推測しています。
頭部と胴体のつなぎ目、つまり首の部分があまりはっきりしておらず、軽くくびれている程度だったといいます。
そのため、頭部と胴体のシルエットはツツイカの外套 (筒の部分) に似ていることから、カーメル・ウォーキング・スクイッド (Carmel Walking Squid 「カーメルの歩くイカ」) と呼ばれる場合もあります。
(カーメル・エリア・クリーチャー)
さてみなさん、この生物のスケッチを見てどう思いますか?
シルエットを見た限り、既知生物の誤認とも考えられず、こんな生物いるわけない、以上!といった感じでしょうか。
しかし、意外なところからこの生物についてコメントが入ります、生物学者カート・ブロズ (Kurt Broz) 氏からです。
ブロズ氏は「カーメル・エリア・クリーチャーは誰でも知っているありふれた野生動物の誤認に過ぎない」とコメントしています。
この生物の正体をずばり「後肢で立ち上がったオジロジカ (Odocoileus virginianus)」に違いないと断定します。
確かにシカやガゼルなど後肢だけで立ち上がり木の実を食べているシルエットはこのイラストに酷似しています。
しかし目撃者の話を信じれば、立ち上がった状態で道路を横切ったことになります。
ブロズ氏曰く、
「シカはいくつかの理由により立ち上がって二足歩行する場合があります。
多くの場合、それはオス同士の縄張り争いであったり (高い位置の) エサを取る場合です。
通常、それほど長い距離は歩かないものですが、目撃者の主張を鑑 (かんが) みれば、オスが直立歩行したことを否定する理由はないといえます」
キーになるのはやはり夜間であるということ。
もし昼間であったらなら、オジロジカがたとえ二足歩行していたとしても怪物と誤認することはほぼありえなかったでしょう。
しかし夜間であり、立ち上がったオジロジカを照らし出したフロントライトが体の中心付近より下であれば胸より上は夜の闇で確認が難しく「腕がない」「頭部と胴体のつなぎ目がはっきりしない」といった目撃証言になる可能性があります。
この他にもオオアオサギや脱走したエミュー、ダチョウ、レアやといった鳥類の誤認説も候補として挙げられています。
たとえ短い距離にしろ道路上を二足歩行したのは不自然と思う人も多いかもしれませんが、既知動物の誤認であるとすればやはりオジロジカが有力と思われます。
(参照サイト)
CRYPTOPIA
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