今回は南アフリカ共和国に伝わるUMA、グローツラング (Grootslang)。
アフリカーンス語の「グロート・スラング (Grote Slang)」に由来するといい、もともとは「大蛇」が原意です。
このことからも分かる通り、もともとは巨大な蛇として描かれていましたが、現在では派生して「ヘビとゾウのハイブリッド的容姿」で描かれることが多いです。
ヘビとゾウの比率や構成は多種多様で、頭部のみゾウのヘビ、ゾウのような四肢をもつヘビ、ヘビの鱗を全身にまとうゾウ、ヘビのような長い尾を持つゾウ、、、等々、決まった姿はありませんが、頭部のみゾウのヘビのパターンが一般的に浸透していると思われます。
グローツラングは北ケープ州のリフタスフェルト (Richtersveld) にある (といわれる)「ワンダー・ホール (Wonder Hole)」や「ボトムレス・ピット (Bottomless Pit)」と呼ばれる深い洞窟に生息しています。
この洞窟は40マイル (約64キロ) も離れた海までつながっているといわれています。
(これはフェイクですが、現実にこの場面い出くわしたらグローツラングが現れたと誤認するに違いありません)
リフタスフェルトは岩場の多い砂漠地帯という一風変わった地形に加え、真夏は50度を超えかつ一年を通してほとんど雨が降らないという過酷な環境です
一見すると生物が生息するには適していない土地のように感じますが多くの動植物が生息しており、乾燥地帯における唯一の生物多様性の見られる地域といわれます。
南アフリカといえば19世紀には世界のダイヤモンドの95%以上を算出していたダイヤモンド国家。
グローツラングにもその特徴は反映されており、前述したグローツラングの住処である「ワンダー・ホール」はダイヤモンドで埋め尽くされているといわれています。
また、グローツラングの目は宝石が嵌められており、彼ら自体も宝石、特にダイヤモンドを好むといわれています。
人間に対しても非常に獰猛といわれているものの、宝石を与えれば逃してくれるといわれているからです。
まあ宝石にまつわる逸話やヘビでありながら頭部のみがゾウというのはフィクションの粋を出ませんが、単純にとてつもない大蛇 (のUMA) として考えればそれほどおかしな存在ではありません。
またありそうにもないですが、例えば子象の体に巻き付いている大蛇を見た人が頭部がゾウのヘビと誤認したということも無きにしもあらず。
ところでゾウの頭部を持つヘビは存在しませんが、「ゾウの鼻のヘビ」は存在します。
(アラフラヤスリヘビ (Acrochordus arafurae))
ジャワヤスリヘビ (Acrochordus javanicus) です。
ジャワヤスリヘビの英名はエレファント・トランク・スネーク (Elephant trunk snake)、前述した通り「ゾウの鼻の (ような) ヘビ」の意。
これはゾウの鼻のような突起を持つという意味ではなく、ヘビそのものが一頭のゾウの鼻に見えることに由来します。
ジャワヤスリヘビ等、ヤスリヘビの仲間は東南アジア・南アジア・ニューギニア・オーストラリア等に分布します。
最大で2.4メートル、オーバーサイズのダボダボの皮膚が象の鼻を思わせます。
水生のヘビで毒は持ちません。
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