■殺人コアラ ~ ドロップベア (ドロップベアー)
学名サイラルクトス・プルメトゥス (Thylarctos plummetus)、英名ドロップ・ベア (Drop Bear)。
主にオーストラリア東部に生息するというわれるコアラ (Phascolarctos cinereus) に酷似した有袋類ですが太っていてより大きく、体長1.3メートル、120キロもあります。
カンガルー類 (Macropodidae) に続く現存する最大クラスの有袋類といえます。
毛色はコアラと大きく異なり濃いオレンジ色、さらに黒っぽい斑点があります。
大柄なコアラでも85センチ、15キロ程度ということを考えるととんでもない大きさをしていることが分かると思います。
英名のドロップ・ベアは「落ちるクマ」の意、但し、コアラは英語で「コアラ・ベア (koala bear)」とも呼ばれるため、ドロップ・ベアという言い回しは「落ちるコアラ」と取っても構いません。
ドロップ・ベアの種小名のプルメトゥス (plummetus) はラテン語で「急降下」を意味し、ドロップ・ベアの「落ちる」を意味したものです。
さて「落ちるクマ」は一体どんな生物なのか。
コアラ同様、樹上性ですがユーカリの葉を主食とする草食性のコアラと異なり肉食で、樹上にいるのは獲物が下を通りがかるのを待ち伏せするためです。
最大で8メートルの高さから落下するため、その衝撃は致死的です。
獲物が真下を通るや木から落下、120キロの巨体を浴びせ気絶させるか、そうでない場合は鋭い鋭い歯で獲物に襲いかかりとどめを刺します。
オーストラリア以外ではあまり耳にすることのないドロップ・ベアですが、これはオーストラリアの市街地からそう離れていない地域に危険生物が棲息することが知られることで観光客の減少を引き起こす可能性があるためです。
オーストラリア政府が各国へ働きかけたドロップ・ベアに関する緘口令はそれなりに功を奏しそれほど他国へ広まることはありませんでした。
しかし昔ならいざ知らず、インターネットの普及により現在ではその効果も薄れ、国外へも徐々に知られるようになってきています。
しかし現在でも熱心なユーザーでない限りドロップ・ベアの存在はそこまで広まっていないのはオーストラリア政府の努力の結果でしょう。
せめてもの助けは現在のところドロップ・ベアによる人間の死者は出ていないとのこと、これは獲物にしては人間はあまりに大き過ぎ、人間が通っても落ちることはないからといわれています。
但し偶発的と考えられる事故は散発しており、おそらくは手を滑らせて落ちた際にたまたま人間が通りかかり、いくつかの軽傷を負ったという事例は報告されています。
そういった偶発事故すら避けたいのであればオーストラリアの国民食で世界一不味いとまでいわれるベジマイトを耳の裏に塗るといった防御法も推奨されています。
個人的にベジマイトは全く問題なく食べられますが。
と、陰謀論風に書いてみましたが、このドロップ・ベア、オーストラリア版フィアサム・クリッター (北米大陸の民間伝承上の生物の総称) という位置づけで、何も知らないオーストラリアに来た観光客を怖がらせる (楽しませる) ために「創造」された都市伝説です。
その存在性はスコットランドのワイルド・ハギスとも似ているかな?
オーストラリア観光はご安心あれ。
(参照サイト)
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120kgの重さで木登りが出来るってすごい筋力の持ち主なんだね
返信削除外したら即死の自爆技…
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