2020年7月12日日曜日

写真を巡り専門家の意見が紛糾 ~ マージー川の怪物

(image credit by Mark Harrison)

■写真を巡り専門家の意見が紛糾 ~ マージー川の怪物

以前にマージー川の謎の漂着死骸を記事にしましたが、今回もまたマージー川関連です。

イングランドのマージー川に面するフェリー・ターミナルのシークーム・フェリー (Seacombe Ferry) にいた写真家、マーク・ハリソン (Mark Harrison) 氏によって撮影された謎の生物です。

撮影されたのは今から10年ほど前の2011年5月25日。

ハリソン氏は嘲笑されるのを恐れ、この写真の公表を躊躇したといいます。

「アザラシかな、当初そう思いました。

その生物は水中に潜り数分間姿を消したあと、さらに上流に現れかなり接近していました。

随分と長い間、ゆっくりと泳ぎ回っていました」

(image credit by Mark Harrison)

ブルー・プラネット水族館のポール・レイノルズ (Paul Reynolds) 氏は写真を見てこういいます。

「(この写真を見ただけで) 特定するのは事実上不可能です。

ですが今の時期は現世最大のサメ、ジンベエザメに次ぐ大きさを誇るウバザメが大挙してマン島に向かう時期だということを考慮しないといけません。

写真の生物がウバザメじゃないとしたら小型のクジラかイルカではないかと思います、なにせイギリスには23種ものクジラ類が生息していますからね」

財団法人シー・ウオッチのダニエル・ギバス (Danielle Gibas) 氏 (スペルから分かる通りダニエルですが女性です) はいいます。

「ネズミイルカを目にすることは非常に稀です。

水面に出てくるのはほんの一瞬ですし、背ビレはとても小さいですから水の波紋や波と勘違いされてしまうからです。

イルカ (dolphins) と異なりネズミイルカ (porpoises) は水面上に滅多に姿を見せませんから、ひと目でネズミイルカと判断できるにはかなりの運に恵まれる必要があります」

ネズミイルカであるとの見解で、このあとリバプール・エコー紙は「謎の生物の正体判明」とギバス氏推しの記事が掲載されます。

これを受けてサイレンス・ライターのダレン・ナイシュ (Darren Naish) 氏は自身のブログ、テトラポッド・ゾウオロジー (Tetrapod Zoology) にて反論記事を掲載します。

(ハイイロアザラシ)
(image credit by Diego Delso)

「この写真が掲載されて数日後、リバプール・エコー紙はダニエル・ギバスが謎を解いたと掲載していましたね。

明らかにネズミイルカ (Phocoena phocoena) だとね。

やれやれ、、、エコー紙は彼女の見解をすっかり信じこんでしまったみたいですね。

彼女は間違っている、ごめんね、、、

写真を見れば分かりますがこの生物には (イルカのような) 背ビレもなければ (サメのような) 垂直の尾ビレも確認できません。

頭部から背中にかけて背ビレも何もない平坦な空間が広がり吻 (ふん - 鼻先) は角張っています。

これらの特徴からイルカ (ネズミイルカを含む) やサメは簡単に除外できます。

ほぼ確実にハイイロアザラシ (Halichoerus grypus) といい切れます」

ウバザメは話にならないとして、専門家の意見ではネズミイルカかハイイロアザラシか、といったところです。

(ヒレナガゴンドウ)

背ビレが確認できないのでは致命的ですが、個人的には頭部の形だけだとゴンドウクジラっぽいシルエットに見えます。

みなさんには何に見えますか?

(参照サイト)
CRYPTOPIA

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