■飛べない巨大ハト、悲劇のドードー
ドードーは、インド洋に浮かぶモーリシャス島、レユニオン島、ロドリゲス島の3つの島にのみ生息していた飛べない鳥です。
3つの島に別れて住んでいたドードーは、それぞれの島で独自の進化を遂げ、モーリシャス島のものをモーリシャス・ドードー、レユニオン島のものをシロ・ドードー (ホワイト・ドードー、レユニオン・ドードー)、ロドリゲス島のものをソリテアー (ロドリゲス・ドードー) と区別されます。
特にことわりがなく、単にドードーという場合は、ふつうモーリシャス・ドードーのことを指しています。
これらの島にドードーの天敵といえるほどの天敵はいなかったようです。
その証拠に、飛翔する力を失ったにもかかわらず、速い足や鋭い爪、クチバシといった武器も持ち合わせていなかったようです。
空中に逃げる必要のなくなったドードーの翼は退化し、飛翔する必要のなくなったからだは丸々と太り、体高は1メートル、体重は10~20キロにもなったといわれています。
「天敵」とか「逃げる」といった概念をとっくの昔に捨て去ってしまったドードーたちは、モーリシャス島に足を踏み入れたオランダ人たちにもなにも感じることはありませんでした。
逃げることを知らないドードーは次々と狩られ、1598年の発見からわずか83年後の1681年にモーリシャス島から、1746年にレユニオン島から、そして1791年にロドリゲス島から姿を消しました。
ロドリゲス島から姿を消したことによって、この地球上からドードーの仲間は完全に絶滅してしまいました。
絶滅がこれほど早かった理由は人間の残忍さに加え、卵を地上に産むというドードーの特性ゆえ、人間が島に持ち込んだネズミやブタたちも片っ端から卵や雛を食べてしまったこともあるようです。
ところで、ドードーは衝撃的といえるほどほぼ完全絶滅させられた鳥としても有名です。
絶滅したのはわずか300年足らず前であるにも関わらず、1体としてドードーの完全な全身骨格は存在していないからです。
全身骨格どころか、現在残された骨は頭部と足の骨、各ひとつずつだけといわれており、当時描かれた絵画や記録頼らずして復元すら行えないほどだといいます。
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