2023年3月24日金曜日

ガンビアの竜脚類系UMA ~ ニンキ・ナンカ

(ディプロドクスの旧復元図 (1916年))
(image credit by Wikicommons)

恐竜の復元図は昔と今では随分と異なります。

「昔」なんていうとずいぶんと抽象的な表現ですが、少なくとも1970年代以前の獣脚類は地面に腹をつけて (腹這いで) いたり水中、もしくは水辺で暮らしていたりしているものが多いです。

これは、陸上でその巨体 (体重) を四肢では支えきれなかったのでは?という当時の仮説からきています。

レイク・モンスター (湖の怪物) の古いフェイク写真に海生爬虫類ではなく、ディプロドクスやアパトサウルス (Apatosaurus) といった獣脚類を彷彿とさせるものが映っているのはこのためです。

冒頭の画像はディプロドクス (Diplodocus) の20世紀初頭に描かれたものですが尾を地面につけ腹這いの状態で復元されています。

(現在のディプロドクスの復元図)
(original image credit by Wikicommons)

恐竜と現生の爬虫類の大きな違いのひとつとして、恐竜の四肢は体から地面に対して垂直に伸びていますが、冒頭のディプロドクスはワニのように体から横向きに張り出しています。

さてなんでこんな話をしているかというと、今日紹介するUMA、ニンキ・ナンカはまさに恐竜の旧復元図を彷彿とさせる体型をしているからです。

ニンキ・ナンカ (Ninki Nanka) は西アフリカのガンビア共和国に伝わるもともとは民間伝承の生物です。

風変わりな語感で何語であるか不明ですが「ドラゴンの悪魔 (Dragon-Devil)」か「悪魔のドラゴン (Devil-Dragon)」のいずれかのようです。

ですが空想の世界を飛び出したニンキ・ナンカ、あまり多いとは言い難いですが目撃証言もあります。

(19世紀末 (1894年) に描かれたヒプシロフォドン (Hypsilophodon)。まるでただのトカゲです)
(image credit by Wikicommons)


(現在の復元 / ヒプシロフォドン (緑) を狩るエオティラヌス (Eotyrannus))
(image credit by Wikicommons)

体長30フィート (約9メートル)、キリンに似た長い首の先にはウマのような頭部があり3本の角を生やしています。

鎧のような皮膚に覆われた体はワニやトカゲ (カバに似ているというものもあります) に似ており、長い尾を持ちます。

イメージとしてはコモドオオトカゲ (Varanus komodoensis) の体にキリンの首をつけたような生物です。

そして目撃証言が少ないのには理由があります。

夜行性で人間との活動時間が異なるというのがまずはありますが、なによりニンキ・ナンカに運よく遭遇したとしても生きて帰れないからです。

(タニストロフェウス)
(image credit by Wikicommons)

その場で殺されるか、なんとか逃げおおせたとしても遭遇した人は数日程度で死んでしまう (呪い?) といわれ、ニンキ・ナンカの実体が掴めないというのです。

腹ばいのトカゲ的体にキリンの首という獣脚類の旧復元を彷彿させるそのシルエットは、1970年代までならいざ知らず、現代ではその正体の候補を挙げるのすら難しいほどユニークです。

もはや首の長い新種のトカゲぐらいしか候補にできませんが、敢えて既知生物で候補を挙げるとすればタニストロフェウス (Tanystropheus) でしょう。

タニストロフェウスは恐竜とも時代を共にした絶滅爬虫類で、体長は最大種で5~6メートルほどあり、トカゲ的な華奢な体に体長の2/3を締める長い首、その特異なプロポーションは、ニンキ・ナンカの唯一の既知生物の候補といえます。

最大種の体長6メートルと聞くと、さすが絶滅種の爬虫類はでかいと思ってしまいますが、思いの他ボリュームのない体つきであまり大きくは感じません。

ニンキ・ナンカはその姿からクラシックなUMAと思ってしまいますが、目撃が頻繁になったのは21世紀以降、新しいUMAで今後も目撃情報が期待できます。

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