■吸血鬼から吸血するハエ ~ クモバエ
コウモリバエ (Streblidae)とクモバエ (Nycteribiidae) というハエの仲間がいます。
2つは近縁で形態もよく似ていることから、どちらも英語での俗称はコウモリバエ (bat flies) です。
ここでもめんどくさいので2つを区別せず、呼びやすい「クモバエ」と呼ぶことにします。
クモバエの姿を見ても、昆虫に精通している人以外、これがハエの仲間であることに気付くことはないでしょう。
名前の通りその姿はまさにクモで、翅すら持ちません。
完全な寄生生活をおくるハエで、コウモリに寄生しその生き血を吸って生きています。
コウモリバエ科が237種、クモバエ科が275種知られており、基本的にそれぞれが専門とするコウモリに寄生します。
吸血のイメージが付いてしまっているコウモリですが、実際のところ、吸血コウモリはわずか3種しかおらず、逆にほとんどのコウモリが吸血される側にまわっているのは皮肉なものです。
さてクモバエの仲間たち、交尾と産卵を除くすべての期間をコウモリにひっついて暮らす吸血寄生バエです。
それゆえ、万一、コウモリから振り落とされようものなら翅もないかれらにとって人生終わったも同然で、48時間以内に寄生するコウモリに辿りつけない場合は餓死してしまいます。
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