■シナヘラチョウザメ (ハシナガチョウザメ) ついに絶滅する
絶滅が危惧されていた淡水魚最大種のひとつ、シナヘラチョウザメ (Psephurus gladius) がついに絶滅を宣言されました。
「チョウザメ」と名がつきますが、こちらはチョウザメはチョウザメでも「ヘラチョウザメ科」の魚で、チョウザメの仲間ですが別科です。
頭部から伸びる長い吻 (ふん) が特徴で、英名はヘラ (paddle) を持つ魚という意味のパドルフィッシュ (paddlefish) といいます。
ウバザメのように大きく口を広げて泳ぎ、小魚やプランクトンを捕食しますが、このヘラには微弱な電流が流れており、小魚の群れなどを探知する能力があると考えられています。
ただしこのヘラは意外と脆 (もろ) く、破損したり完全に欠けてしまったりしている個体も見受けられますが、そういった個体でも問題なく生きているものも確認されており、エサが潤沢な環境であれば必須アイテムではないかもしれません。
ちなみにチョウザメの卵 (キャビア) ほどではないですが、ヘラチョウザメの卵もパドルフィッシュ・キャビアとしてこちらもそこそこの値で取引されています。
さてシナヘラチョウザメですが、こちらはチャイニーズ・パドルフィッシュと呼ばれる長江に生息するヘラチョウザメの固有種で、アメリカのヘラチョウザメ (Polyodon spathula) より遥かに巨大化します。
公式記録では3.0メートル、300キロが最大といわれていますが、2007年に捕獲された個体は体重は250キロだったものの、体長は3.6メートルもありました (ヘラが長かったのか?)。
しかし、実際のところシナヘラチョウザメの最大サイズはこんなものではなく、体長は7メートル超、500キロを優に超していたといわれています。
このサイズは巨大淡水エイ、ヒマンチュラ・チャオプラヤ (ウロギムヌス・ポリレピス) の非公認の最大サイズ (7.62メートル、500キロ) に勝るとも劣らない超ビッグサイズです。
その堂々たる巨躯 (きょく) と希少性から、「河のジャイアントパンダ (Giant Panda of the Rivers)」なる別称を持ちます。
巨大生物好きにはたまらない生物でしたが、ダムの開発など環境破壊に歯止めがかからない長江で近年急激に個体数を減らし、伝説的巨体を見せる機会なくついに地球上から姿を消してしまいました。
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