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2024年6月6日木曜日

その存在を迷信と笑うものは命を落とす ~ アグロペルター


■その存在を迷信と笑うものは命を落とす ~ アグロペルター

英語でウィドウメーカー (widowmaker) という言葉があります、「ウィドウ」は「寡婦」とか「後家」とかの意味で夫に先立たれ未婚の女性、「メーカー」は「作るもの」を意味するので、「寡婦を作るもの」となります。

現在では「寡婦」や「後家」という単語が差別用語もしくは不適切用語の可能性があるので、もっと直接的に「夫を死なせるもの」という表現に言い換えたほうがいいかもしれません。

さてではウィドウメーカーとは?

これは林業用語で、木の上部が折れたり砕けたりして落ちてくることを意味し、その結果として頭部に木が当たり作業者が亡くなる (=夫を死なせる) ことからウィドウメーカーと呼ばれます。

これは一見健康そうな大木であっても内部が信金の増殖により空洞化したり脆くなっていることが原因で、林業作業者の死亡者の11%がウィドウメーカーによるものだといいます。

さてUMAの話に移りましょう。

今回はアグロペルター (Agropelter)。

北米の民間伝承系UMA、フィアサム・クリッターのひとつで、前述のウィドウメーカーと深く関係しています。

アグロペルターはアメリカ、メイン州からオレゴン州の森の狩れた大木の洞 (うろ) に棲んでいるといわれます。

見た目は醜悪なサルに似ており、体は痩せこけ (逆に筋肉質との説もあり) 鞭のようにしなる長い腕をもちます。

林業に携わる人々を非常に憎んでおり、自分のテリトリーに侵入した作業者を発見するや木の上から枝や木片を投げつけます。

この「木の洞 (空洞化)」に棲んでいるといったこと、「枝や木片」が空から降ってくるといったこと、これらの特徴はまさにウィドウメーカーとリンクします。

健康そうに見える木が突然折れてしまうのがなぜなのか解明されていなかった時代はこの説明不明の現象をアグロペルターの仕業と考えたのです。

ウィドウメーカーに限定されず、山中で神隠しにあったものもアグロペルターの仕業と考えられていました。

UMAファンとしては残念かもしれませんが、安全管理も格段に進歩した近年はアグロペルターの出現もだいぶ減ったようです。

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2 件のコメント:

  1. 木の洞の中でずーっと林業関係者を待ってて暇にならないのかな?
    スマホ持ってたら話し相手になれるんだけどな

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  2. 天狗の類いか、ネイティブアメリカンの意趣がえしの伝説化かって感じの存在ですね

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