■弾む!弾む!ヤマアラシのUMA ~ ルベラド
今回は可愛らしいUMAです。
いっつもコイツは気持ちわりいもんしか書かねぇな、と思われるのも心外ですのでたまにかわいいの挟んでいます。
今回はフィアサム・クリッター (Fearsome critters) の中からルベラド (Rubberado) の紹介です。
日本ではローマ字読みしてルベラドですが英語圏ではラバレイドー (ラバーレイドー) と発音されます。
フィアサム・クリッターは何度か説明しているので詳しくは書きませんが、アメリカ・カナダに伝わる木こりたちのホラ話から生まれた民間伝承上の生物です。
ユーモラスがありスーパーナチュラルな性質を持つものも少なくありませんが、多かれ少なかれ実在する動物が元になっており、中には信じられないようなその性質が実在の生物でも確認される場合もあり、なかなか興味深い動物たちです。
例えば自分の尾を噛んで輪 (フープ) になりタイヤのように坂道を転げ落ちて獲物を捕らえるというフープスネークというフィアサム・クリッターがいますが、実在するドワーフ・リード・スネークは天敵から逃れるときに実際にフープ状になって転がって逃げることがあります。
今回のUMAルベラドは「荒唐無稽」な方のフィアサム・クリッター、つまり実在しそうもないタイプです。
ルベラドはUMAとしてh非常に珍しい、ヤマアラシタイプのUMAです。
ヤマアラシは南北アメリカに棲息するアメリカヤマアラシ科 (Erethizontidae) とアフリカやユーラシア大陸に生息するヤマアラシ科 (Hystricidae) に大別され、全く異なる継投で進化をしてきたにも関わらずそっくりな姿に進化 (収斂進化) した不思議な生物です。
(カナダヤマアラシ)
(image credit by Wikicommons)
大雑把にヤマアラシ科は地上性、アメリカヤマアラシ科は樹上性で、今回のルベラドはもちろんアメリカヤマアラシ科が元になっているのは明らかです。
ちなみにアメリカヤマアラシの最大種、カナダヤマアラシ (Erethizon dorsatum) は頭胴長が90センチ以上もあり尾を含めると1メートルを超し、北米大陸においてアメリカビーバー (Castor canadensis) に次ぐ2番目に大きな齧歯類です。
さて、アメリカヤマアラシの仲間は樹上性であることがルベラドに深く関係ありそうです。
フィアサム・クリッターのそのほとんどが世間一般のUMAと同様、人間にフレンドリーな存在ではありません。
しかしルベラドは、人間と特別友好的な関係にある生物ではありませんが、少なくとも攻撃を仕掛けてくるといった直接的な害を人間に与えることはないようです。
彼らはいつも笑っている愉快なUMAだからです。
その姿は球体に近く、ゴムのように弾力性のある体をしており、その特性を利用し弾みながら地面を移動するといいます。
これはカナダヤマアラシが細い木の枝の先端にある木の実や枝を好んで食べるため、よく木から落っこちることで有名でそれに由来するのでしょう。
また鳴き声も頻繁に発するとため、それが「笑い」と擬人化されたに違いありません。
ルベラドはその自身のバウンドの都度、大笑いするといいます。
ルベラド決して危険な生物ではないため狩猟により捕らえることも可能です、但し非常に弾力性のあるその毛皮はライフルの弾丸すら跳ね飛ばしてしまうということで捕まえるには他の方法を試さなければいけません。
但しルベラドの肉は非常に美味であり苦労してでも捕まえる価値はあると考えられています。
特にルベラドの肉を使ったシチューは美味しいといわれ一度は食べてみたい一品です。
ただひとつだけ覚悟しないといけないのはルベラドのシチューを食べた後、笑いが止まらなくなりルベラドのように暫く弾んでしまうということです。
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捕まえればペットとして愛でつつ、スーパーボールとしても遊べる?
返信削除確かに可愛い!
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