■巨大吸血コウモリ? ~ ササボンサム (アサンボサム)
今回はササボンサム (Sasabonsam)、またの名をアサンボサム (Asanbosam) というUMAです。
ガーナのアカン族 (Akan people) に伝わるUMAですが、ガーナ周辺国コートジボワールやトーゴ等、ガーナ以外の西アフリカ諸国で目撃があります。
ササボンサムという名前はアカン語で悪魔を意味する「ボンサム (Bonsam)」に由来し、多くの場合、キツネの頭部、巨大コウモリの翼、そして人間の体を持つハイブリッド生物として描かれ、人間を襲って血を吸うつまりドラキュラ的な存在です。
翼開長は20フィート (約6メートル) に達し、ピンク色の羽毛をもちます。
一方、他部族でもこの生物はササボンサムという同じ名前で知られるものの、コウモリの特徴は排除され、その姿はヨーロッパで知られる怪物オーガ (Ogre) に等しいもので巨体を持つヒューマノイドであり、人間を捕まえ貪り食うという習性まで共通しています。
このように大きく分けてこの2つの姿が存在しますが、いずれも鉄の歯や鉄の爪 (またはカギ爪) を有しており、人間にはフレンドリーな存在でない点は同じです。
この2つのタイプはあまりにかけ離れた風貌ですが、UMAとして、つまり未発見の動物として考えた場合、前者のコウモリ人間はオオコウモリを誤認している可能性があります。
キツネの頭とコウモリの翼、はいずれもオオコウモリの特徴で、英語圏ではオオコウモリをフライング・フォックス (Flying fox)、つまり「空飛ぶキツネ」と表現することからも分かります。
南部アフリカを代表する飛翔系UMA、コンガマトー (オリチアウ) とタイプ的に一緒にしてもいいかもしれません。
西アフリカにも分布しているオオコウモリとしてはエジプトルーセットオオコウモリ (Rousettus aegyptiacus) とウマヅラオオコウモリ (Hypsignathus monstrosus) を候補にあげたいですが、前者は翼開長が僅かに2フィート (約60センチ)、後者は3フォート (約90センチ)。
いずれも体格的には世界最大クラスのオオコウモリ類たちと比べると見劣りするものです。
また体格的に有利なウマヅラコウモリに至ってはその名の通り馬面で、どう転んでもキツネには見えません。
(キツネの顔を持つことを拒否したウマヅラコウモリ)
(image credit by Wikicommons)
ちなみに吸血に関しても、1400種以上知られるコウモリの中で吸血する種はナミチスイコウモリ (Desmodus rotundus)、ケアシチスイコウモリ (Diphylla ecaudata)、シロチスイコウモリ (Diaemus youngi) の3種のみ、しかもすべて人間の手のひらサイズ。
コウモリ全体の比率にしてわずか0.3%のチスイコウモリで、コウモリ全体が「吸血コウモリ」のイメージを持たれ忌み嫌われるのは気の毒な感じです。
話を戻しましょう、ササボンサムを既知の生物に当てはめるのは非常に困難、八方塞がり、、、
ここはもうササボンサムの正体は未発見の、つまり新種のオオコウモリと考えて締めるしかありません。
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