自分の尾を咥えフープ状 (輪) になり坂道を転げ落ち獲物を襲うヘビ、フープ・スネーク (Hoop snake)。
アメリカ、カナダの民間伝承系UMAを総称してフィアサム・クリッター (ズ) (Fearsome critters) と呼びます。
UMA (未確認生物) はある意味、そのほとんどが民間伝承といえますが、その中でもフィアサム・クリッターはお伽噺に出てくるような怪物たちが多いのが特徴です。
当サイトでもいくつか紹介しています。
シカの角を持つウサギ、ジャッカロープ (Jackalope)、ロッキー山脈に生息する陸のクジラ、スライド・ロック・ボールター (slide-rock bolter)、毛皮を纏ったマス、ファー・ベアリング・トラウト (fur-bearing trout)、バラバラになってもまたひとつに戻るヘビ、ジョイント・スネーク (Joint snake) 等々、挙げていったらきりがありません。
そんなフィアサム・クリッターの中でももっとも有名なもののひとつがフープ・スネークです。
フープ状になり坂道を転がり落ちながら追いかけてくるフープ・スネークの攻撃を避ける方法は少なく、咄嗟に木の裏に隠れフープ・スネークを木に激突させる、フェンスをよじ登って、フープをいったん解かせる、フープ・スネークの輪の中を潜り抜ける等々、その方法もお伽噺のようです。
しかし、、、
東南アジアに生息するナミヘビ科のハダカメヘビの仲間にプセウドラブディオン・ロンギセプス (ロンギケプス) (Pseudorabdion longiceps) というヘビがいます。
和名は不明で学名は発声しづらいので以下英名のドワーフ・リード・スネーク (Dwarf Reed Snake) で呼びましょう。
(ドワーフ・リード・スネーク)
(image credit by Wikicommons)
生息範囲は上述の通り東南アジアで、シンガポール、マレーシア、タイ、それにボルネオ島と生息範囲はそれなりに広いもののあまり目につくことはないといいます。
これは英名のドワーフが示す通り非常に小柄で通常は10センチやそこらしかなく、さらにふだんは地中や地上に出ていても落ち葉の下などに隠れておりまったく目立たないからです。
その大きさからへたするとミミズと見間違えられて見過ごされているとも考えられています。
まあ大きなヘビだってそう目にすることはないですから、小さければなおさら目立ちませんからね。
体色は一般的にはダークグレー、地味ですが日光等、強い光が当たると虹色に輝く美しい鱗を持ちます。
さてこのドワーフ・リード・スネーク、天敵に襲われるとフープ状になって逃げるといわれていましたが、実際にはよくわかっていませんでした。
しかし、今回、完璧にフープ状で逃げる姿が動画で撮影されました。(動画は本文最下部にあります、1分50秒あたりから見てください)
(ドワーフ・リード・スネークがフープ状になって転がる一コマ)
ちなみにヘビといえば毒蛇のイメージが強く、実際以上に誇張され怖い存在として語られることが多くその速度に関しても誇張されているため、どのヘビが最高速度かは判断しづらいところです。
信憑性は不確かですが参考までに最速候補を挙げるとすればサイドワインダーことヨコバイガラガラヘビ (Crotalus cerastes) の時速29キロメートル、ブラックマンバ (Dendroaspis polylepis) の時速20キロメートル、サザンブラックレーサー (Coluber constrictor priapus) の時速16キロメートルらでしょうか。
サイドワインダーのスピードはちょっと信じがたいものではありますが。
ドワーフ・リード・スネークは大きさもミミズに毛が生えた程度、フープ状になっても時速20キロは出そうにもありませんがビデオ内では速度は時速11キロメートルほどもあるといいます。
UMAのフープ・スネークは北米であり、東南アジアにのみ棲息するドワーフ・リード・スネークが元になっているとは到底思えませんが、あながち北米にも同様のヘビがいないとは言い切れないかもしれません。
(参照サイト)
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