2023年4月15日土曜日

19世紀に捕らえられ標本化された恐竜がいるらしい ~ マディディ・モンスター


■南米ボリビアの恐竜 ~ マディディ・モンスター

南米中部に位置するボリビア。

自分的にはボリビアと聞けば「ボリビア共和国」と思ってしまいますが、2009年より「ボリビア多民族国」と国名が変わったんですね。

このボリビアにはアマゾン川が流れますが、その上流には2万平方メートル近い広大なマディディ国立公園 (Madidi National Park) が広がります。

日本ではよく広い土地を東京ドーム何個分、なんて表現しますが、40万個分ですw

東京ドームと比較するのがそもそもの間違いで、日本では北海道以外、マディディ公園以上の面積を持つ都道府県は存在しません。

さてこの国立公園が設立されたのは20世紀も終わりに近い1995年ですが、それよりも100年ほど前、19世紀後半からこの地で目撃されているマディディ・モンスター (Madidi Monster) が今回の主役です。

アフリカ大陸の次に恐竜系のUMAの目撃が多いのは南米大陸、実際、巨大な竜脚類の化石は南米から毎年わんさかと発見されています。

(アルメニアで発行されたアルゼンチノサウルスの220ドラム切手 (「ドラム」とはアルメニアの通貨単位)、日本だと80円切手ぐらいの価格)
(image credit by Wikicommons)

史上最大の陸生生物のひとつとして名高いアルゼンチノサウルス (Argentinosaurus huinculensis) は名前の通り、南米アルゼンチンで発見された竜脚類でその体長は30~35メートル、100トン近い体重と見積もられています。

化石の発見者は我こそは史上最大の竜脚類を発見した!という思いが強いのでしょう、30メートル、40メートル、50メートルとその (発見者によって独自に) 復元された大きさはニュース紙を賑わせます。

生きている本物の姿を見たことがないので、実際それぐらい大きさがあった可能性もありますが、まぁたいていの場合、発見から時間と共にその体長は縮小傾向にあるのがふつうです。

恐竜ではありませんがメガロドン (Otodus megalodon) なんてその典型でしょう、軟骨魚類のため、基本的に歯の化石しか見つかっていないメガロドンは初期は40メートル近いサメと推定する科学者もいましたが、30メートル、20メートルとその推定値は下がり、現在では10~15メートルが無難なところです。

実際のところ10メートルオーバーのサメなんてとんでもない大きさですが、最初の推定値がデカすぎたために拍子抜けしている人も多いかもしれません。

完全に話が逸れましたが、マディディ・モンスターは前述した史上最大の生物、竜脚類に似た姿をしたUMAです。

知名度的にはまったく話になりませんが、UMAファンにしてみればモケーレ・ムベンベの南米バージョンといえば分かり易いでしょうか。

(北米に生息していたスーパーサウルス・ヴィヴィアナエ (Supersaurus vivianae))
(image credit by Wikicommons)

この怪物のもっとも初期の情報はなんとアメリカの大衆科学雑誌、サイエンティフィック・アメリカン (Scientific American) の1883年7月7日版 (Vol.49) に掲載されたものです。

この時代のサイエンティフィック・アメリカン誌が現在ほどの科学的根拠に基づいて執筆されていたかは分かりませんが、取り敢えずは掲載されていたこと自体は事実のようです。

ボリビアのベニ川 (Rio Beni) 付近で殺されたマディディ・モンスターの死体はボリビアの隣国パラグアイの首都アスンシオン (Asunción) に保存されていたといい、ボリビア大統領の命でラパス (La Paz) に移送されたといいます。

乾燥標本の大きさは驚異の12メートル、生前の姿をどこまで維持しているかは分かりませんが、長い首に地面につきそうなほど丸々と太った胴体、四肢は短く先端にはかぎ爪がついていました。

さらに驚くべきは長い首の付け根の両側にも頭部のついた短い首が生えていたということ。

つまり、ファンタジーでもおなじみ、冥界の番犬ケルベロスさながら3つの頭部を持っていたということになります。

これはマディディ・モンスターが複数の頭部を持つ生物というよりは、多頭症による遺伝的な疾患によるものと考えられています。

ただその乾燥標本がその後どこに行ってしまったかは謎でございます。

地元住民たちの話によればマディディ・モンスターと思われる首の長い生物はベニ川やその近辺の沼沢地で目撃があり、カヌーに体当たりといった攻撃を受けた事例もあるそうです。

陸棲動物とは考えられているものの、水中での目撃も少なくなく半水棲、リバー・モンスター的側面もありそうです。

これは竜脚類が水棲と考えられていた名残が影響しているのかもしれません。

「ここにはまだ科学者に知られていないヘビや昆虫が生息しており、マディディの森林地帯には未知の巨大な生物が頻繁に人々に恐怖を与えているのは確かなようです。

おそらくこれはアフリカ等、他地域で報告されている太古の生物に違いありません。

確かにいかなる既知生物にも当てはまらない足跡が発見されており、我々が知っているいかなる生物の足跡よりも巨大です」

1907年、この地に派遣された英国陸軍中佐パーシー・ファーセット (Percy Fawcett) 氏が遺した発言です。

(参照サイト)

(関連記事)






1 件のコメント:

  1. >2009年より「ボリビア多民族国」と国名が変わったんですね。
    知らなかった!

    返信削除