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2024年6月2日日曜日

巨大ワームかマーマンか?移民を襲った怪物 ~ ムルジェワンク


■巨大ワームかマーマンか?移民を襲った怪物 ~ ムルジェワンク

今回はオーストラリアのUMA、ムルジェワンク (Muldjewangk)。

オーストラリア南部に住む先住民族ンガリンジェリ族 (Ngarrindjeri) の神話に伝わるUMAです。

もともとは日本の河童と同様、子供たちを危険な水辺から遠ざける抑止力として存在していました。

ムルジェワンクは男性の人魚版、マーマン (厳密にはマーフォーク) として描かれるのが一般的ですが、巨大なワームという説もあります。

この両者はあまりに違い過ぎるため、もともとは別々の生物であったものが「ムルジェワンク」という単一の呼び名で誤用されている可能性もあるといわれています。

また、ムルジェワンクはムルヤウォンク (Mulyawonk) の別名という解釈もありますが、これだと話がややこしくなります。

というのも、オーストラリアを代表するUMAであるバニップ(Bunyip) のことをンガリンジェリ族はムルヤウォンクと呼んでいるからです。

となると、「ムルジェワンク = ムルヤウォンク =バニップ」つまり「ムルジェワンク = バニップ」ということになってしまいます。

しかしバニップの特徴はほぼムルジェワンクとは共有しない上、バニップの目撃される地域がニューサウスウェールズ州、クイーンズランド州とオーストラリア東南・北東部であるため別物と考えていいでしょう。

取り敢えずムルジェワンクは一般的なマーマンタイプとして紹介します。

ムルジェワンクはオーストラリア南東部を流れる、同国最大の河川、マレー川 (Murray River) に棲息しているといわれています。

マーマンですが人間よりも遥かに大柄で、特に手は大きく力強いためボートの側面に張り付かれた場合は厄介な存在だといいます。

体は鱗で覆われており、より爬虫類的で、半魚人に近いイメージです。

ある日のこと、ンガリンジェリ族数人を乗せた移民の蒸気船がマレー川を渡っているとき、二匹のムルジェワンクが水面から現れると船の側面からよじ登ろうとしてきました。

恐怖を感じた船長がムルジェワンクに銃を向けると、ンガリンジェリ族はムルジェワンクに構わない方がいい、さもなければ良くないことが起きると警告しました。

しかしその警告を無視し、船長はムルジェワンクに向かって引き金を引いてしまいました。

ムルジェワンクは船に登るのをあきらめ水中へと没したといいます。

しかしンガリンジェリ族の渓谷は当たったようです、その後船長は呪われ全身に水ぶくれができ死んだといわれています。

但しこれはかつて天然痘が流行していた時代の話であり、船長の病気はそれが原因だったかもしれません。

ムルジェワンクの正体は?

オーストラリアの生物ではイリエワニ (Crocodylus porosus) であるとかジュゴン (Dugong dugon) 等がその候補となりえるかもしれません。

しかしいずれも生息地はオーストラリア北部沿岸でありマレー川とは地理的に大きく離れている上、実際のところマーマンと見誤るかというそれも疑問符です。

まあ完全なる謎の生物といっていいでしょう。

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1 件のコメント:

  1. 釣り糸垂らしてれば釣れたりしないかな?

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