今回はインドネシアのジャワ島で目撃される飛翔系のUMAアフール (Ahool) です。
コウモリに似た翼、人間をも彷彿させる大きな目をした霊長類的な頭部、黒灰色 (赤とも) の短い毛に覆われた体。
このアフールという名はかれらの「アッフーーーール!」という透き通った甲高い鳴き声から来ています。
その姿はいわば巨大なオオコウモリに例えらることが多いですが、目撃証言によれば翼開長は12~30フィート (約3.6~9メートル)、最小の3.6メートルだとしても現存するいかなるオオコウモリよりもはるかに大きいです。
そのためその正体として翼がコウモリ的である翼竜説もあります。
ただ霊長類的な頭部の特徴は翼竜には当てはまらず、やはりオオコウモリ系の方が無難でしょう。
逆に霊長類的であることから空飛ぶ獣人、つまり獣人に翼をつけた存在という位置づけもあります。
いかにもUMA的であり、アメリカ、ワシントン州で目撃されたバッツカッチとタイプ的に同じですね。
ですが、大きさはさておきその他の特徴からオオコウモリを正体として挙げるのがやはり「無難」です。
頭部が霊長類的、哺乳類であるコウモリの頭部はサルを彷彿させるものもいますし、エコロケーションではなく視覚に頼るオオコウモリは大きな目をしています。
ちなみにエジプトルーセットオオコウモリ (Rousettus aegyptiacus) のみオオコウモリながらエコロケーション (反響定位) できます。
また、「アッフーーーール!」とは鳴かないものの、オオコウモリは「キイ!キイ!」とまるでサルのような甲高い声を出します。
なお、オオコウモリの最大種は翼開長で競うか体重で競うかで異なりますが、インドオオコウモリ (Pteropus medius)、ビズマークオオコウモリ (Pteropus neohibernicus)、フィリピンオオコウモリ (Acerodon jubatus) のいずれかでしょう。
体重的にはおそらくインドオオコウモリがわずかの差でリード、翼開長はそれほど大差なく最大レベルの大型の個体のもので1.7メートル (1.8メートルとも) ほどです。
(ジャワオオコウモリ)
(image credit by Wikicommons)
アフールが目撃されるジャワ島にはジャワオオコウモリ (Pteropus vampyrus)、他のインドネシアの諸島にはセレベスオオコウモリ (Acerodon celebensis) も棲息しており、存在を知っている地元民が誤認するかなぁ?とは思います。
ただし、アフールの目撃は20世紀初頭に伝えられたものも多く、オオコウモリに見慣れていないジャワ島に訪れた白人たちの目撃証言であったことも考慮に入れる必要はあります。
とはいえアフールはもとはジャワ島の民間伝承であり、ジャワオオコウモリ等のオオコウモリの存在を知っている地元民にもUMAと思わせる別のオオコウモリが棲息していると考えれば夢は広がります。
0 件のコメント:
コメントを投稿