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2023年3月18日土曜日

モラー湖の怪物 ~ モラグ (モラーグ, ロッホ・モラー・モンスター)


■モラー湖の怪物 ~ モラグ (モラーグ, ロッホ・モラー・モンスター)

今回はモラー湖の怪物ことモラグ (Morag / Mhorag / Mòrag) です。

以前はこのUMA、モラーグと呼ばれることが多かったと記憶しますが、"Morag" という単語は女性の名称に由来することが分かっており、日本では "Morag" という名前を一般的にモラグやモラーと表記することから現在では「モラグ」の方が適切でしょう。

それ故、英語圏ではモラグの三人称は通例、シー (she) で呼ばれます。

モラグの棲むモラー湖 (モラール湖) は (Loch Morar) スコットランドのハイランド西側のかなり海よりに位置する湖です。

スコットランド5番目の表面積で最深部は1000フィート (約310メートル) にも達しイギリスでもっとも深い湖です。

スコットランドで湖を意味する「ロッホ (loch)」は「湖」のほかに「入り江」も指しますから、ロッホの意味を知っている方の中には海沿いに位置するモラー湖はもしかして湖ではなく入り江、つまり海では?と思う人もいるかもしれません。

ですが、モラー湖は海沿いにあるというだけで正真正銘の湖、淡水湖であり、モラーグはレイク・モンスターということになります。

(モラー湖、何か潜んでいそうな、、、?)
(image credit by Wikicommons)

ネッシーが英語圏でロッホ・ネス・モンスター (ネス湖の怪獣・怪物) と呼ばれるようにモラーグもロッホ・モラー・モンスター (モラー湖の怪獣・怪物) と呼ばれることもあります。

モラーグの目撃は19世紀初頭よりありますが、当初は民間伝承的傾向がより強く「湖の精霊 (spirit of the loch)」的存在でした。

水馬 (ウォーター・ホース、名前の通り「水中に生息する馬の姿に似た生物」) 伝説が色濃く残るスコットランドで、モラグのその姿は男性を溺死させるために水辺に誘う美女 (もしくは人魚) であったり、もしくは死神のような姿であったり、かなりお伽話的です。

これはもしかすると湖で溺死した人たちの中に溺死した理由の説明がつかなかったりしたことに由来するかもしれません。

しかし、スコットランドでもっとも、というよりは世界のUMAでもっとも有名なネッシーによって同国に注目が集まると、1960年代以降、モラー湖の怪物もネッシー然とし首長竜のような姿に変貌します。

すなわちモラグのその姿は頭部が小さく長い首を有し、背中にひとつまたはふたつのコブをもつといいます (首長竜の背にコブがあるとは考えられていませんが)。

目撃情報によれ体長は40~50フィート (約12~15メートル) とやはりUMAならではのとんでもない巨大さです。

主な目撃事件として、1948年のボートに乗った9人の人々が同時に目撃した20フィート (約6メートル) のレイク・サーペント的なもの、1968年のボートに乗ったバーテンダーが目撃した5~6フィート (約1.5~1.8メートル) の長い首を水面から出して泳いでいたというもの、1969年のボートで釣りをしていたダンカン・マクドネル (Duncan McDonell) 氏による30フィート (約15メートル) のヘビのような頭部を持つ怪物に激突された、というものがあります。

姿かたちがネッシーと似ていることから両者を同一とみなし、ネス湖とモラー湖を秘密の地下水路で行き来している、なんて話もありますが、両湖は70マイル (約112キロ) 離れており地理的にそこまで近い距離とは言えず、それは少々難しいかもしれません。

ネッシーほど注目されていないものの、21世紀に入ってもモラグの目撃情報は散見され、今後も期待できるなかなか有望ななUMAです。

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