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2025年1月1日水曜日

確実に存在するが未発見の謎の鯨 ~ 52ヘルツのクジラ (52ヘルツの鯨)


■確実に存在するが未発見の謎の鯨 ~ 52ヘルツのクジラ (52ヘルツの鯨)

今回は「52ヘルツのクジラ (52-hertz whale)」

UMAには怪物的なものが多い中、このUMAはとても現実的な存在です。

アメリカの海洋研究施設、ウッズホール海洋研究所、通称WHOI (Woods Hole Oceanographic Institution) によって「発見」されたクジラです。

発見と言ってもその姿は確認されていません。

奇妙な名前ですが、これはこのクジラの鳴く周波数が「52ヘルツ」であることからそう呼ばれており、つまり「52ヘルツの鳴き声を持つクジラ」という意味です。

1989年にその存在が発見され、また、その回遊パターンも確認されており、シロナガスクジラ (Balaenoptera musculus)、ナガスクジラ (Balaenoptera physalus) と似通っていることも分かっています。

(ナガスクジラの骨格標本)
(image credit: Wikicommons)

しかし上記のクジラの泣き声の周波数がそれぞれ10~39ヘルツ、20ヘルツであること、また鳴くパターンも全く異なるため、いずれのクジラにも当てはまりません。

とはいえ、1989年以降、現在に至るまでWHOI以外の機関でも確認されており、その生物の存在は確実です。

クジラであること、そしてそれが大型のオスのクジラであることも分かっているものの、その個体はいまだ発見されることはないため「52ヘルツのクジラ」とだけ呼ばれるわけです。

1989年当時で「52ヘルツのクジラ」が何歳であったかはもちろん分かりませんが、シロナガスクジラもナガスクジラも平均寿命は100歳に近く、個体によっては120歳前後まで生存することも分かっています。

寿命の点から考えれば、このクジラが仮にシロナガスクジラやナガスクジラ、もしくはそれらのハイブリッド等のミュータント (突然変異) だったとしても、今後病死や狩られることがなければしばらく観察され続ける可能性があります。

周波数が違う上に鳴くパターンも固有のものであり、他のクジラと相互にコミュニケーションは取れるとは思えず、「世界でもっとも孤独なクジラ (The loneliest whale in the world)」とも呼ばれます。

(アルビノのザトウクジラ、ミガルー (Migaloo))

但し、このクジラの鳴き声が独特の周波数とはいえど、シロナガスクジラ、ナガスクジラ、それに加えザトウクジラ (Megaptera novaeangliae) たちは少なくとも彼の声をキャッチできると考えられており、聞こえるけれども何を言っているのかが分からない、といったところでしょう。

人間に例えれば、周りよりやや甲高い声で知らない言語を発する外国人、といった感じかもしれません。

アメリカのテキサスA&M大学のガルベストン准教授はこういいます。

「(他のクジラたちが52ヘルツのクジラの声を聞いたときの) 問題は、他のクジラたちがそれをどのように認識しているかです。

彼らにとって52ヘルツの鳴き声はいったい何を意味するのでしょう?

あまりに奇妙で、完全に理解できないものかもしれません。

それとも、自分たちのシグナルとほんの少しずれているだけで幾分か理解しているかもしれません」

尚、この「世界でもっとも孤独なクジラ」という悲壮感漂うニックネームですが、もしかすると同じ周波数 (52ヘルツ) で鳴くクジラが他にもいる可能性が示唆されており、人間が考えているような天涯孤独な存在ではないかもしれません。












3 件のコメント:

  1. 52ヘルツはどれくらいの高さなんですか?

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    1. もの凄い低い音です。人間の可聴域は20ヘルツ~なので、一応理論的には聞き取れるのかな?分かりません。でもそれぐらい低い音です。

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  2. なるほど。
    人間にとってはとても低い音だけど、クジラにとってはとても高い音なんですね。勉強になりました。

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