■口も胃も腸もなにもない生物 ~ オラヴィウス・アルガルヴェンシス
地中海に浮かぶトスカーナ群島最大の島、エルバ島。
このエルバ島沖の浅い砂浜にかなり奇妙な生き物が生息しています。
その名もオラヴィウス・アルガルヴェンシス (Olavius algarvensis)。
くるくるとコイル状に不規則に巻かれているため分かりにくいですが、海生の貧毛類で、いわゆる「海に住むミミズ」といえば分かりやすいかと思います。
ミミズと同様、からだには体節がたくさんあり、まっすぐ伸ばせばそれなりにミミズっぽく見えるはずです。
ですがそのままの状態ですとやっぱりミミズには到底見えない、というか、生物にすら見えません。
なんかの動物の内臓なんじゃないか、と思ってしまうほど奇妙なルックスですが、他の動物に寄生したりもせず、これでも単体でやっていけてます。
ただしこのオラヴィウス、口もなければ胃や腸といったあ消化器官も、腎臓も肛門も何も持っていません。
どうやって生きているのかというと、すべては体内に取り込んだ共生生物たちがやってくれます。
オラヴィウスの体内には4種だか5種だかの共生細菌が住み着いており、かれらが栄養分を作り出し、体内で不要になった廃棄物もかれら共生細菌がすべて処理してくれます。
オラヴィウスの役目はかれら共生細菌に場所を提供するだけ。
見た目こそ気持ち悪いですが、ゴミひとつ出さない究極のエコ生物です。
(関連記事)
■ 人間の祖先はガマ口で肛門なし ~ サッコリタス・コロナリウス
■ 巨大ミミズ ~ ディガステル・ロングマニ
0 件のコメント:
コメントを投稿