■食べた全員が死亡!ハンナ湖の魔物 ~ スネーク・スタージョン
今回はスネーク・スタージョン (Snake sturgeon)。
スタージョンと聞けばこのサイトにいらっしゃる方はすぐにわかると思いますが、チョウザメの英名です。
スネーク・スタージョンですから、つまり「ヘビチョウザメ」という意味になりますね。
さて、このスネーク・スタージョン、この辺りに住む先住民族、オジブワ族が神聖視している湖、ハンナ湖 (Lake Hanna) にかつて棲息していた怪物だといいます。
で、そもそもその怪物チョウザメが棲息してるとやらのハンナ湖はどこにあるんだい?となるでしょう。
これがまたはっきりしないのです。
そのため、ハンナ湖と接続している河川や湖でその位置をだいたい把握してみましょう。
ハンナ湖とその近くにあるエマ湖は、カナダのオンタリオ州を流れるニゴピン川 (Nipigon River) を介してファーガン湖 (実際は貯水池) と繋がっているらしいので、即ちハンナ湖及びエマ湖はオンタリオ州に位置しているはずです。
ハンナ湖という名の湖は確かに存在はするのですが、こちらはアメリカ、ミズーリ州であり同名の別な湖のようです。
とても小さな湖ということであり、Wikipediaに載るレベルのものではないのかもしれません。
とにかくこの謎のハンナ湖にはスネーク・スタージョン、オジブワ族がウェシナマ・サヘグン (Mesinama Sahegun) と呼ばれる謎の生物が棲息していました。
彼らの伝承によれば、そのチョウザメはある日の夜、天から降ってきたといい、水面に当たった時はとてつもない轟音を伴っていたといいます。
そしてその日から、オジブワ族はウェシナマ・サヘグンがもたらすであろう「祟り」を恐れ、彼らの怒りを鎮めるよう、湖の両端に石製のお供え台を設置し、行き来する人々はそこに煙草をお供えしました。
尚、オジブワ族がスネーク・スタージョンは確実にここに棲息しているだろうと考えていた場所があり、その地には誰も近づかないようにしていたといいます。
しかし、オジブワ族が神聖視していたのはハンナ湖であり、スネーク・スタージョンではなかったようです。
神聖な湖に棲息する邪悪な存在、それが彼らの共通認識であったのです。
スネーク・スタージョンがこの湖に落ちてから10年、オジブワ族は観察を続け、ついにヤツを討伐する日を決めます。
そして決行する日が訪れると、スネーク・スタージョンは湖から引きずり上げられ、村の200世帯が参加する宴にスネーク・スタージョンの肉が振る舞われたといいます。
で、その結果、どうなったのか?
なんと食べた全員が亡くなったといいます。
やはり邪悪な存在であり、祟りが起きたのでしょうか。
まぁUMA喰って死亡あるあるです。
但し、どうあがていもこれにてスネーク・スタージョンの伝説も終了ですよね。
空からチョウザメが降ってくる、あたりは完全なファンタジーでしたが、最後はかなり現実的なただの「チョウザメ宴祭り」みたいに終わっており、誇張はあるにせよもしかすると本当にあった話かもしれません。
さて、これがある程度の真実性を持っていると仮定すれば、その正体は「チョウザメ (スタージョン)」といっているのだから、おそらくチョウザメなんでしょう。
このチョウザメは見慣れたほかのチョウザメを大きさ的にそれほど変わらなかったようですが、全体的なシルエットは少々違っていたことが分かっています。
先住民族たちが観察した結果、スネーク・スタージョンはその名の通り、ヘビを思わせる体型、また、チョウザメは比較的吻部 (鼻先) が長く尖っている種が多いですが、スネーク・スタージョンはそうではなく頭部は角ばっていたといいます。
おそらく吻が短かったのでしょう。
頭部の特徴や生息域を考慮すると、吻部の短いショートノーズ・スタージョン (Acipenser brevirostrum) が良い感じがします。
ただ大きさ的にはチョウザメとしてはまり大きくありません。
最大で5フィート (約1.5メートル) ほど。
但し、ショートノーズ・スタージョンは若魚の時は他のチョウザメのように吻部が長く、成長するに従い吻部が丸みを帯びてくるため、規格外に育った個体だったかもしれません。
もしくは先天性の遺伝的な問題で風変わりなシルエットだった可能性もあります。
いずれにしても食べられてしまったので真相は藪の中です。
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