■日本近海にモササウルスが? ~ 佐尾鼻の怪物
民俗学者、柳田國男の著書「柳田國男未採択昔話聚稿 (やなぎたくにおみさいたくむかしばなしろんこう)」に長崎県、五島列島の中五島 (なかごとう) の最南端、佐尾鼻 (さおはな) で目撃された謎の生物が掲載されているといいます。(未読)
目撃された詳細な時期ははっきりしていないものの、昭和5年以降の報告集ということなので、著者の存命期間と併せ1930年~1960年代の話ということになります。
ある夜のこと、とある漁船が近くで漁をしていた別の漁船から助けを求める叫び声を聞いたといいます。
叫びを聞きつけた数隻の漁船がその声のする方へ急いで向かうと、巨大な生物が一隻の船の周りをぐるぐると泳いでいるのを目にしました、これが佐尾鼻の怪物 (Saohana monster) です。
その生物は船上にいる漁師を襲おうと執拗に漁師を追い回していたというのです。
怪物の姿はワニに似ていたといいます。
助けに来た漁師たちのひとりが竹竿の先端に刃物を巻き付け銛のようなものを作り、怪物の口めがけて投げ込むと怪物は逃げ去っていったといいます。
この生物はなんだったのか?
夜間かつ水中の生物ということで観察するのはかなり困難だったと思いますが、多くの海洋生物に見慣れた漁師たちが即座に特定できなかったことから既知種であったとしても日本近海では珍しい生物だったに違いありません。
このタイプ (ワニ似) のUMAの正体としては、絶滅した巨大海生爬虫類、例えばモササウルス (Mosasaurus) やティロサウルス (Tylosaurus) なんかが頻繁に登場しますし人気です。
彼らほどメジャーではありませんがマキモサウルス・レックス (Machimosaurus rex) は7メートル以上に達した海生のワニでした。
ロマンあふれるUMAならではの絶滅種の生き残り説ですが、目撃証言から一番あり得そうなのはやはりイリエワニ (Crocodylus porosus) でしょう。
通常ではありえないものの、「西表島浦内川河口域の生物多様性と伝統的自然資源利用の綜合調査報告書1」によれば、幕末から明治初期にかけて奄美大島でイリエワニと思われる生物の目撃記録が残されています。
奄美大島と五島列島は地理的にかなり離れているものの、「迷いワニ」の可能性はゼロではないと推測します。
(参考文献)
日本の未知生物案内 (山口敏太郎著)
(参照サイト)
西表島浦内川河口域の生物多様性と伝統的自然資源利用の綜合調査報告書1
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確か他にも長崎で海棲爬虫類の報告ありましたよね。やっぱりそれもワニなんですかね
返信削除コメントありがとうございます。
削除あれですね、蛭子能収さんのお兄さんが目撃談を語っていたやつですよね?その記事も一応書いたのですが、ソースとなる元記事が見つからないのでアップしてないんですよね。
もうちょいまとめたらアップします。
ワニって海泳げるんですね。ワニが海泳いでたら確かにモササウルスにそっくりですね。
返信削除コメントありがとうございます。
削除ほとんど沿岸部だけですが海流に乗った時はもの凄い距離をあっという間に移動しますからね。そういう時にUMA騒ぎをいくつか起こしていると思います。
奄美のは鼉龍(だりゅう)ですね。記録されていた前後の足の指の数がワニと逆らしく、それ(だけ)を根拠にUMAとして紹介してるところもあります(cryptid wikiとか)
返信削除コメントありがとうございます。
削除確かに指の数は生物の同定にかなり重要ですものね。