■ノースサスカチュワン川の怪物 ~ ピンク・アイ
今回はピンク・アイ (Pink eye)
カナダ、サスカチュワン州とアルバータ州に跨るノースサスカチュワン川 (North Saskatchewan River) で目撃されたUMAです。
サスカチュワン州ではタートル・レイク・モンスター、コールド・レイクのキノスー、サスカチュワン湖のサスキポゴ等々、レイク・モンスターが多く目撃されています。
さてピンク・アイ、もっとも古い目撃は1939年4月の先住民族クリー族の酋長が目撃したものです。
カナダを中心とする北米大陸の北部のUMAは、もともとネイティブの伝承が元となったUMAが多いこともあり、上記に挙げたUMAをはじめ、マニポゴやウェンディゴ等でも彼らの名前が登場します。
さて、このクリー族の酋長、ウォーキング・イーグル (「歩く鷲」) と呼ばれる人物で、馬車でノースサスカチュワン川を渡っているとき、彼らの後方に現れたのを目撃しました。
彼らが渡っていたのはもちろん浅瀬でしたが、「それ」は深みの方に出現したといいます。
とても大きな目をしており、イーグル氏の話によれば、その大きさはディナープレートと形容しました。
怪物が彼らを見つけると真っすぐに向かってきたのに気付き、イーグル氏はウマを追い立て急いで岸へ上がったといいます。
しかし無事に岸に着くと恐怖よりも怪物に対する興味が上回り、再び彼は水辺へと近づいたといいます。
一度水中に沈んでいたものの再び怪物は現れました。
先ほどと違い冷静に、そしてたっぷりと観察できたため、その怪物の頭部をよく見ることができました。
怪物は大きな目に加え、角を生やしていました。
また、牙も長い鼻を持たないものの、その頭部はどこかしら象に似ていたといいます。
1942年7月22日、再び怪物は現れました。
遊泳中の子供たちが灰色がかった巨大な流木が浮いていると思い、石を投げつけて遊んでいたところ流木が彼らに向かって襲い掛かってきたのです。
もちろんそれは流木などではなく、巨大な生物でした。
彼らは急いで川から上がると、その怪物は歯をカチカチと鳴らし威嚇していましたが、川から上がって追いかけてくることはなく、そのまま水中へと没しました。
イーグル氏と同じく、その怪物はとても大きな目をしており、彼らもその大きさを「車のヘッドライト」と形容しました。
これらの話を聞く限りこの怪物は完全な水棲生物であり、陸へ上がれないものと思いきや、そうではないようです。
この時期を同じくして、家畜の失踪が目立つようになりました。
農場主の中には、家畜の失踪に伴い灰色の怪物を見たという目撃情報もありましたが、実際には連れ去っている現場は目撃されておらず怪物がこの事件に関わっているかは難しいところです。
しかし決定的な事件が起きました。
1946年10月18日、農場主であるロバート・フォーブス氏により現場を目撃されたのです。
灰色の怪物の大きさは20フィート (約6メートル) 弱、 大きな赤い目をしており口に仔牛をくわえたままノースサスカチュワン川に潜ろうとしていました。
フォーブス氏は石を拾って投げつけましたが怪物は全く気にも留めずそのまま川の中へと潜っていきました。
正式に「ピンク・アイ」と名付けられたのはこのころからです。
1947年暮れにはスコットランド空軍のパイロットが訓練でこの地を訪れている最中、川沿いを散歩中、水中に立っている丸太に気付きます。
なにかが奇妙だと思い彼がその丸太を落ちていた大きな棒で突いてみました。
すると子供たちが石投げに興じていた時同様、それは丸太ではなく、ピンク・アイの体の一部でした。
水中から頭部を持ち上げると、その幅広の頭部はピンクの大きな目をしており、その生物をはるかに小さくしたようなもう一匹の生物と共にその場から離れていったといいます。
おそらく彼らはピンク・アイの親子だったと信じられています。
さて、このピンク・アイ、時系列順に並べられた各エピソードはそれぞれとても詳しく、そしてその内容にほとんど差はありません。
各エピソードがそれぞれ分離している場合は編集した人により差が出ますが、書き手が複数いるにもかかわらず時系列順に話の内容が一致している場合、元の話が一つしかないときに見られる傾向です。
つまり、これはそれぞれ時系列に起きた話をまとめたものではなく、元から「ピンク・アイ」というUMAの歴史的ストーリーとして創作されたものではないか?とも疑われてもいます。
しかし、現時点ではその証拠はなく、幾ばくかの信憑性もあります。
(川を泳ぐヘラジカ)
(image credit: YouTube / Shirl Ireland)
その場合、カナダの多くの水棲UMAがそうであるように、チョウザメ、そしてこの地域に多く棲息するヘラジカ (Alces alces) を誤認したものではないか、というものです。
特に泳ぎの上手いヘラジカが水中を渡ったている姿は、目の大きさはちょっとあれですが、ウォーキング・イーグル氏が目撃した「それ」と共通点 (灰色の体色・角・哺乳類的な頭部) もいくつかあります。
ヘラジカは単独はもちろん、群れで川や湖を渡ることもあります。
実際のところは分かりませんが、野生生物の誤認から創作されたもの、がピンク・アイの正体かもしれません。
(参照サイト)
The Pine Barrens Institute
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