■キャメロン湖の怪物 (ブリティッシュ・コロンビア) ~ カミー
今回はキャメロン湖の怪物 (Cameron Lake monster)。
キャメロン湖 (Cameron Lake) と名の付く湖は北米大陸にとても多く、カナダだけでも10近くあります。
そのためキャメロン湖の怪物も複数の湖で目撃されておりややこしいことになっています。
今回はカナダ、ブリティッシュコロンビア州のバンクーバー島にあるキャメロン湖が舞台で、この湖で目撃される怪物にはカミー (キャミー, Cammie) というニックネームがあるのでそちらで呼びましょう。
この湖は初代最高裁判所長官デーヴィッド・キャメロン (David Cameron) 氏にちなみ1860年に命名されました。
細長い形状の湖で最長12キロメートルあります。
この怪物の歴史はわりと浅く、最も古い記録でも1980年代です。
典型的なレイク・サーペント (巨大海蛇) 系のUMAでカナダの他の湖で目撃されるUMAと姿は似ています。
転機があったのは2007年のこと、ナナイモからの観光客、ブリジット・ホルバート (Brigette Horvath) さんが撮影した写真です。
(ホルバートさんの撮影したカミー)
ホルバートさんの証言では湖中を何か大きなものがぐるぐると回転していることに気付き撮影したといいます。
しかし「UMAを撮影するときは不幸に見舞われる法則」がここでも起きてしまい撮影中にカメラが故障、ピンぼけ写真一枚しか撮れなかったといいます。
波は立っているものの、残念ながらその波を立てている生物の姿は映っていません。
とはいえ昼間の写真、逆光でもなく、ピンぼけながらも1枚でも撮影できたのは不幸中の幸いといえます。
この写真に興味を持ったのが、ブリティッシュコロンビア州科学未確認動物学クラブ (B.C. Scientific Cryptozoology Club)、通称BCSCCです。
BCSCCはこの写真を検証し、この波は既存の水棲生物では立てられない波である、という結論に達し、カミーの調査をはじめました。
2009年、BCSCCは水中ソナーや水中カメラを用意し、本格的に湖の怪物の調査を決行します。
そしてその成果はすぐに現れました。
水深22メートルの地点で魚の群れに混じり1匹の大きな魚影を探知したのです。
大きさは2~3メートルほど、20分間の間にその巨大生物は4度探知されました。
大きな魚影の正体は時として小魚の群れであることも往々にあります、しかしその巨大な魚影は安定して形状を維持しておりその可能性は低いとBCSCCは考えています。
BCSCCのアダム・マクギアー (Adam McGirr) 氏は語ります。
「湖にはノドキリマスやニジマスが放流されていますから正体が彼らである可能性は否定しません。
しかし探知した魚影は彼らよりはるかに大きなもので、もしノドキリマスだとしたら史上最大級であることは確かです。
湖でカヤックを楽しむ人々がなにかに追われていたり、また巨大なノドキリマスが水上にジャンプしたのを見たという人もいます。
ですが我々が追っているものはもっと大きなものだと思います、チョウザメとか巨大なウナギであるとか。
いずれにせよ、その生物はふだん湖底におり、ときどき水面近くに上がってくるのでしょう」
(ノドキリマス)
(image credit: Wikicommons)
ノドキリマス (Oncorhynchus clarkii) の湖沼に生息するものは特に巨大化することで知られ、最大1メートル、20キロにもなります。
ちなみに、ノドキリ (喉切り/cutthroat) というちょっと物騒な名前は、ノドキリマスの仲間は一般的に顎の下 (つまり首のあたり) にある赤やオレンジの特徴的なラインが「掻き切った喉」ように見えることからその名で呼ばれます。
ところでBCSCCは水中ソナーに加え、水中カメラも用意していたはずですが、その決定的な映像はどうなったのでしょう?
ここでも「UMAを撮影すると必ず不運に見舞われるの法則」が発動、水中カメラを誤って湖底に沈めてしまったそうです。
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