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2024年7月28日日曜日

19世紀まで目撃が続いたマダガスカルの巨鳥 ~ ヴォロンパトラ


■マダガスカルの巨鳥 ~ ヴォロンパトラ

今回はヴォロンパトラ (ボロンパトラ, ヴォロムパトラ, Vorompatra)。

マダガスカルで目撃される飛べない巨鳥系のUMAです。

マダガスカルの巨鳥系UMAといえばロック鳥 (Roc) が有名ですが、こちらは飛翔する伝説上の存在であり、明確な目撃記録はなく、実在生物とは考えられていません。

一方のヴォロンパトラは、より「現実寄り」の巨鳥として語られてきました。

― 沼地に現れる巨鳥の伝承 ―


ヴォロンパトラはマダガスカル語で「沼地の鳥(巨鳥)」を意味し、その名の通り湿地帯での目撃が多いとされます。

フランス人入植者がこの話を母国へ持ち帰ったことで広く知られるようになり、特に17~19世紀半ばにかけて目撃が記録されています。

さらに「ヴォロンパトラの卵」とされる巨大な卵の報告もあり、その存在は単なる噂話にとどまらないリアリティを帯びていました。

現在でも、ごく少数ながら目撃情報は続いているといいます。

― 史上最大級の鳥、エピオルニス ―


(エピオルニスの全身骨格)
(original image credit : Wikicommons)

マダガスカルにはかつて巨大な走鳥類(平胸類)、エピオルニス (Aepyornis) が棲息していました。

この事実から、ヴォロンパトラの正体はエピオルニスの生き残りとする説が有力です。

エピオルニスはとにかく重く、「史上最も背の高い鳥」の称号こそ最大身長4メートルのジャイアント・モア (Dinornis maximus) に譲るものの、体重ではそれを大きく上回ります。

モアが最大300キロ程度であるのに対し、エピオルニスは600キロ、最大個体では1トンに達した可能性すら指摘されています。

また体高も大型個体では3メートルに達し、その卵は直径25センチ、高さ40センチ、殻の厚さ4ミリ、重量10キロという規格外の大きさでした。

― 巨大な卵という決定的証拠 ―


(エピオルニスの卵。ダチョウの卵が鶏卵に見えます)
(image credit : Wikicommons)

この巨大な卵の存在こそ、「ヴォロンパトラの卵」とされる記録と強く符合します。

エピオルニス科 (Aepyornithidae) には複数の属が存在し、その中でもヴォロンベ属の最大種ヴォロンベ・ティタン (Vorombe titan) は体重700~800キロと推定されています。

ただしDNA分析の結果、エピオルニス・マクシムス (Aepyornis maximus) と遺伝的差異がほとんど見られず、再分類の可能性も指摘されています。

分類上の揺らぎはあるものの、いずれにしてもこのグループが「巨鳥伝承の実体」であることはほぼ間違いないでしょう。

― 生き残り説の現実性 ―


問題は「現代まで生き残っていたのか」という点です。

エピオルニス科はおそらく現在から1000年ほど前に人類の活動によって絶滅したと考えられており、仮に19世紀まで生存していたとすれば、それ自体が大きな発見となります。

この点について、未確認動物学者ロイ・P・マッカル (Roy P. Mackal) 博士は、より小型の種に注目しました。

― 小型種ムレロルニス説 ―


エピオルニス科の中でも最小級であるムレロルニス属 (Mullerornis) のムレロルニス・モデストゥス (Mullerornis modestus) は、身長1.5メートル、体重90キロ程度と比較的小型です。

マッカル博士は、このサイズであれば人目を避けて生き延びた可能性があるとして、ヴォロンパトラの正体候補に挙げました。

しかしこの説には明確な弱点があります。

体が小さければ卵も小さくなり、ムレロルニスの卵は1キロ未満と推定され、巨大な卵の記録とは一致しません。

つまり「生き残れるサイズ」と「伝承に残る巨鳥像」は、どこかで食い違ってしまうのです。

― 巨鳥は過去か、それとも現在か ―


巨大な体躯。

湿地に潜む気配。

そして、人の記憶にだけ残された「あり得たかもしれない生物」。

ヴォロンパトラは、完全な伝説とも、完全な実在とも言い切れない曖昧な位置に存在しています。

UMA探しの旅は終わらない (国内外1000体以上のUMAが待っています)


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