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2024年9月3日火曜日

マダガスカルの謎の巨大キツネザル ~ トゥラトゥラトゥラトゥラ


■マダガスカルの謎のキツネザル ~ トゥラトゥラトゥラトゥラ

トゥラトゥラトゥラトゥラ (トラトラトラトラ, Tratratratra)。

17世紀ごろから伝わる未確認の巨大なキツネザルで、マダガスカルに訪れたフランス人入が目撃したことによりその存在が知れ渡りました。

フランス語での表記は "trétrétrétré"、トゥレトゥレトゥレトゥレでしょうか。

キツネザルは霊長類の曲鼻亜目 (きょくびあもく) に分類される動物で、アイアイやロリスなんかも含まれます。

現存するキツネザルは100種以上おり、そのすべてがマダガスカルに生息しています。(但し絶滅種はインドからも見つかっています)

(インドリ)
(image credit by Wikicommons)

日本ではキツネザルといえばたぶんあの可愛いワオキツネザル (Lemur catta) を思い浮かべる人が多いでしょう。

現生最大のキツネザルはインドリ (Indri indri) で体長は60センチ前後、最大個体で70センチ超、10キロほどです。

さて目撃されたUMAのトゥラトゥラトゥラトゥラの方はインドリよりも1回りも2回りも大きのです。

最もはっきりと目撃した人物にフランス人森林官アンドロー (Andrault) 氏がいます。

1930年代、アンドロー氏はマダガスカルのアンダシベ・マンタディア国立公園近くで狩りをしていたところ巨大なキツネザル、トゥラトゥラトゥラトゥラを目撃したと主張しています。

わずか7メートルという至近距離での目撃で、インドリのような白と黒のツートン、後肢二本で立ち上がったときの身長は1.2メートル超、インドリと比較しがっしりとした体型、尾はなくインドリよりもより類人猿的な顔立ちだったといいます。

驚いたのはその俊敏性で、巨体にも関わらず身軽に木にしがみついたり後肢二本で身軽に何度もジャンプしたりしたといい、アンドロー氏の接近を恐れそのまま森の中へ姿をくらましました。


その他にも別の人物により、夜間のため詳細には確認できなかったものの身長2メートルもあるキツネザルを目撃した、なんてものもあります。

身長2メートルはどうかと思いますが、怪物的な特徴もなければ非現実的な大きさでもなく、あくまで「大型のキツネザル」といった感じで実在してもおかしくないUMAです。

というわけで候補に挙がるのは当然絶滅種のキツネザル。

絶滅種は大きいものが多いですからね。

まずはアルケオインドリス・フォントイノンティ (Archaeoindris fontoynontii)、知られている史上最大のキツネザルで断片的な骨しか発見されていないものの体重は160キロ以上、最大で240キロと推定されています。

樹上棲であったか地上棲であったかは限られた骨格からは判断が難しいようです。

この巨体で飛び跳ねられたかどうかは分かりませんが紀元前350年前というつい最近までマダガスカルに棲息していたと考えられているのが強みです。

さてお次がメガラダピス (Megaladapis)。

体長は1.5メートル、体重は80キロぐらい、最大で140キロと見積もられています。

先のアルケオインドリスほどの200キロ超なんて見積もる研究者もいます。

樹上棲でキツネザルにしては相対的に四肢が短く俊敏性に欠け、のんびり木にしがみついて葉を食べていたと考えられており、巨大なコアラに例えられコアラキツネザル (koala lemur) の異名を持ちます。

機敏な動きをするというトゥラトゥラトゥラトゥラとは生態的にちょっと一致しないかもしれません。

最後にパレオプロピテクス・インジェンス (Palaeopropithecus ingens) を紹介しておきましょう。

パレオプロピテクスは上記の2主と比較すると決して大きくなく、その体長はインドリと同じか若干小柄なほどです。

しかしトゥラトゥラトゥラトゥラの正体として最も有力視されています。

それはなぜか?

パレオプロピテクスはなんと本当につい最近の17世紀ごろまでマダガスカルの森に生息しておりかつインドリと比べより類人猿的な顔をしていたからです。

ということは細々と生き残っている可能性もあるのでは?

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